ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『I'M FLASH!』(2012:豊田利晃)

 『I'M FLASH!』(2012:豊田利晃)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン5にて見る。前売り券1300円(割引1000円)、パンフレット700円。
 柄本佑が「ちょっとDVD返して来る」とバイクをぶっ飛ばす。一方、傍らの水原希子といい雰囲気で盛り上がりながら、スポーツカーを運転する藤原竜也。そして、両者は反対方向からトンネルに突入。カット切り替わって、路上に散乱するバイクの残骸をゆっくりとなめていくカメラ。その先には、路肩に乗り上げた赤のスポーツカー。助手席の水原希子は血だらけで意識なし。運転席の藤原竜也が大きな怪我もなく、ヨロヨロと車外へ。そのシーンに何か意味ありげな松田龍平のナレーションがかぶる。
 シーン変わって、仲野茂、永山絢斗松田龍平が、それぞれひとりで三者三様の食事をとっている。そこでケータイがなる。呼び集められた三人が、ライフイズビューティフルの若き教祖・藤原竜也のボディーガードとして雇われる。
 ここまでの導入部がすこぶる快調。最近の日本映画ではめずらしく短い91分。さあ、どれだけ濃密に凝縮したお話を楽しませてくれるかと、期待でワクワク。
 しかし、後がいけない。わけのわからない死生観めいた藤原竜也のナレーション。宗教法人のどす黒さ、いいかげんさを追及するでもない。家族間の醜いバトルを描くでもない。ヒットマンとボディーガードのアクション、あるいは藤原竜也松田龍平のバトルアクションを描くでもない。すべてが中途半端、何を中心に描きたいのかわからない。解説を読むと、監督は「生と死」を描いたようであるが、そんな抽象的なものをわからせるには、やはり具体的ディテールの積み重ねをおもしろく見せる努力をすべきではなかろうか。
 たいしたストーリーもなく、退屈なナレーションで間延びさせた91分という作品は、とても長く感じてしまった。『ナイン・ソウルズ』(2003)に次いで、二度目の見参となる豊田利晃監督、9年の時を経ても、あまり進歩は見られないような、、、、。

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