ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

風見章子さん、さようなら



 風見章子(かざみ あきこ=俳優、本名・中村フサ〈なかむら ふさ〉)さんが、9月28日にお亡くなりになりました。95歳。葬儀は近親者だけで行いました。

 1921年7月23日、群馬県甘楽郡富岡町(現在・富岡市)七日市の生まれ。理髪業の父・半治と母・ゆうの三男四女の二女。富岡尋常小学校から1934年群馬県立富岡高等女学校に入学。学費を出してくれていた姉が急逝したため、1935年4月中退。
 芸事が好きな父親がエノケン一座の新人募集に、本人には無断で応募。採用となり、父の意のままに上京。コーラスガールの一員として芽が出ない日々。1937年9月、友人のすすめで、日活多摩川撮影所の新人俳優募集に応募して、ニューフェイス13人の1人に合格。『時代の霧・前後篇』(1937:清瀬英次郎)の小間使い・お秋の役で映画デビュー。何本か出演したのち、1938年2月に『土』(1939:内田吐夢)の主人公である貧農・勘次(小杉勇)の娘・おつぎに抜擢される。1939年4月に封切られると、絶賛の嵐。風見章子は一躍脚光を浴びる。
 その後は波はあっても、常に第一線で活躍し、遺作は、
2013.03.02『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(2013:御法川修)、
2013.09.07『ハーメルン』(2013:坪川拓史)、
です。
 『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』ではさわ子さん(寺島しのぶ)の祖母・林静江に扮し、
ハーメルン』では野田雅史(西島秀俊)の元担任教師・久遠綾子に扮してその娘・久遠リツコが倍賞千恵子という役回りでした。

ご冥福をお祈りいたします。