ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『コーヒーが冷めないうちに』(2018:塚原あゆ子)







 『コーヒーが冷めないうちに』(2018:塚原あゆ子)を、ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン1にて見る。1000円。

 喫茶店「フニクリフニクラ」には、不思議な都市伝説があった。店内の【ある席】に座ると、望んだとおりの時間に戻ることができるというもの。しかし、それには、下記のルールを守らなければならない。

1.過去に戻って、どんな事をしても、現実は変わらない。
2.過去に戻っても、喫茶店を出る事はできない。
3.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければならない。
4.過去に戻れる席には先客がいる。席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
5.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない人には会う事ができない。

 4人が強く念じた過去に戻る。中でも松重豊薬師丸ひろ子のエピソードは大いに涙を誘う。認知症が進行中の妻を思いやる夫の気持ちを自然に演じていて、松重豊助演男優賞候補です。
 ラストまで引っ張っていての石田ゆり子のエピソード、こちらも涙、涙、、。
 塚原あゆ子という監督、新人にしては、見せ場もしっかりと描いて、手堅い演出。大抜擢されたことだけの実力の持ち主、、、。と、思いきや、ドリマックス・テレビジョン(旧・木下プロ)所属のテレビドラマ演出家であった。以下の作品群を見ている。
「砂時計」(TBS、2007)、
「Nのために」((TBS、2014)、
重版出来!」(TBS、2016)、
「私、結婚できないんじゃなくて、しないんです」(TBS、2016)、
「砂の塔 知りすぎた隣人」(TBS、2016)、
「アンナチュラル」(TBS、2018)、
「Aではない君と」(テレビ東京、2018.09.21)、
どれもこれも、水準以上の出来。特に「Nのために」では脚本・奥寺佐渡子とのコンビネーションが素晴らしかった。
 この『コーヒーが冷めないうちに』でも、脚本は奥寺佐渡子。女性たちの描き方がいつもながら巧い。
 というわけで、映画としてなかなか良かった。

2018年9月21日(金)鑑賞


        キャスト
有村 架純      時田数(喫茶店店員)
伊藤健太郎      新谷亮介(学生)
波瑠         清川二美子(五郎の幼なじみ)
林  遣都      賀田多五郎(二美子の幼なじみ)
深水 元基      時田流(喫茶店マスター、数のいとこ)
吉田  羊      平井八絵子(スナックのママ)
松本 若菜      平井久美(八絵子の妹)
薬師丸ひろ子     高竹佳代(認知症)
松重  豊      房木康徳(看護師、佳代の夫)
石田ゆり子      夏服の女
  ?        未来(みき)