ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『鐘』(1966:青島幸男)





 『鐘』(1966:青島幸男)を、国立映画アーカイブ長瀬記念ホールOZUにて見る。5月3日から始まった「発掘された映画たち2022」の1本。420円。
 カンヌ国際映画祭批評家週間の招待作で、「カイエ・デュ・シネマ」誌でも好意的な評を得た。ということだけど、一般公開はされず、サンケイホールで1週間上映されただけ。
 青島家に眠っていたオリジナルネガからプリントを作製。原版寄贈:青島美幸さん。
 当日は上映前に青島美幸さんの舞台挨拶があった。
 カンヌ映画祭に招待されたので、そこそこの作品かと思いきや、いい歳した30代の男たちが悪ふざけしているだけの超私的映画。
 二車線の真ん中を走るコンクリ土砂ダンプ、後ろからクラクションを鳴らして煽るジープ。やっと追い越して、運ちゃん・近藤洋介にアカンベェ、さらに青島幸男と立花マリがキスシーンを見せつける。ここまではいい。最後にはダンプの二人が小便している隙に、荷台をはね上げてコンクリ土砂を公道にぶちまける。立派な犯罪行為。
 ガス欠でやっと手押しでたどり着いたガソリンスタンドは休業中。そこに駐車していた高級車からガソリンを失敬する。1000円札を車体に置いたのはいいが、バンパーにドライバーで「Thank you」の文字を刻みつける。これまた犯罪行為。
 海に潜った男が釣鐘を発見、それを4人で崖上に引き上げ、鐘を突く。その一連の作業を遊び心満載で描いている。その過程で海辺の掘っ立て小屋をぶち壊したり、ロープを盗んだり、これまた犯罪行為満載。
 ともあれ、セリフを極力排除し、戦前のサイレントコメディを意識したり、様々の工夫をこらしている。私的映画ではあるが、アングラに陥ることなく、わかりやすさを追求している姿勢は好感持てる。
2022年5月11日(水)鑑賞

『鐘』
(63分・35mm・白黒・スタンダード)
青島幸男プロ1966年
製作・監督    青島 幸男
原作・脚本    青島 幸男
撮 影      佐藤  正
 〃       中川 光男
 〃       鎌田 友美
水中撮影     舘石  昭
 〃       柳井  哲
美 術      中村 金男
音 楽      青島 幸男
 〃       三保敬太郎

出 演      青島 幸男
         石津 啓介
         松波 勝彦
         三保敬太郎
         立花 マリ
ダンプ運転手   近藤 洋介
樽から逃げ回る婆さん
         なべおさみ


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