ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『シュガー&スパイス~風味絶佳~』(2006:中江功)

 『シュガー&スパイス~風味絶佳~』(東宝配給2006:中江功)をシネクイントの平日1回目割引1000円で見る。
 これは、少年の童貞喪失物語なのだろうか?
 高校を出てガソリンスタンドでアルバイトをしている少年が、一人暮らしを始める。アルバイトの同僚である女子大生と恋仲になり、半同棲のような楽しい日々を過ごす。
 年上の女は「19になったら一緒に暮らそう」と少年に約束する。この約束って、何なんだろう?半同棲のような暮らしのなかで、セックスはまだおあずけをくっていたということか。それだったら話がわかる。一緒に暮らす=童貞にサヨナラする日、ということになるわけだから。
 でも、キスは描いても、次の肉体を求める描写はいっさいない。高校を出た18歳の少年にしては、あまりにも奥手すぎる。それに冒頭で、同級生の濱田岳のセックスをAVをみながらコーチしてあげたりするシーンがあったりすると、そのナイーヴさが絵空事のように見えてくる。う~ん、摩訶不思議な作品である。
 あと、夏木マリはたょっとやりすぎ。もっと抑えた演技でも充分に表現できたと思う。逆に若い恋人との生々しい描写があってもよかったのでは。
 それにしても沢尻エリカは可愛い。八重歯が魅力の佐藤友美の後継者になりうるのではなかろうか、声も同じくハスキーだし。
 沢尻エリカの恋人を演じた高岡蒼甫、二人は『パッチギ!』(2005:井筒和幸)では兄と妹を演じていた仲であり、これまたおもしろい。