池袋・新文芸坐にて「気になる日本映画達<アイツラ>2006」の1本『紀子の食卓』(2006:園子温)を見る。
何にもない地方都市、家族の中で長女を演じられなくなった17歳の紀子(吹石一恵)が東京へと家出する。しかし、そこではレンタル家族の一員としてまた娘役を演じることになる。
見ていてつらい話であり、よくこんなものをつくるなあ、とあきれるやらついていけないなあ、と思うやら、、、。
もともと家族といえども他人の集まりだし、子どもは大きくなったら自立するもんだし、自分もそうしたし、子どもたちにもそうしてほしいし、と思っている私だから、あまり共感できない。
けれども、パンフを読んだり、時間がたつにつれて、実に深い内容の映画だとジワジワと感じてきた。園子温監督は天才かなとも思い始めてきている。だいだい詩人という人は天才だと私は思う。短いセンテンスに凝縮して言いたいことを表すなんてことは天才なのだ。
園子温監督の他の作品も見たくなった。