ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『まり子自叙伝・花咲く星座』(東宝1959:松林宗恵)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて松林宗恵特集『まり子自叙伝・花咲く星座』(東宝1959:松林宗恵)を観る。
 菊田一夫作・演出の大当たり舞台の映画化。出だしは舞台中継の構成だが、回想シーンに入ると、映画の世界である。
 宮城まり子が父親(坂本武)、そして兄(池部良)とともに旅回りの一座からスタートし、日本ビクターからレコードデビューし、次々とヒットを出し、東京宝塚劇場での座長公演の幕開けまでを描ききる。
 宮城まり子本人が素直に力まず演じている。30歳になるかならないかで、自分の伝記映画に主演するということは、いかにすごいことか。でも、そんなえらそうな態度は、画面からは感じられず、まるで他人を演じているかの如く、淡々としている。
 宮城まり子さん本人は、公開当時、見逃したまま、今回のラピュタ阿佐ヶ谷での上映にて、初めて見たそうな。若い頃の苦労が思い出され、涙が止まらなかったそうです。