ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『神田祭り喧嘩笠』(東映京都1960:マキノ雅弘)

 フィルムセンターにて『神田祭り喧嘩笠』(東映京都1960:マキノ雅弘)を見る。500円。
 三下やくざ・佐吉(里見浩太郎)は親分(月形龍之介)の娘・八重(大川恵子)と恋仲。猫の手も借りたい神田祭りの日、親分の粋なはからいで身内の看病のために国元に帰った佐吉。自分自身も病気にかかったりして、1年ぶりに帰ってみれば、親分のうらぶれた姿。悪浪人・郷右衛門(千秋実)に組ごと乗っ盗られてしまったのだ。
 何とも惨たらしいシチュエーション、これって現代のヤクザ映画のストーリーにそのまま使えそう。親分だけよそ者が入れ替わって、頭以下子分たちは昔のまま。月形親分の時は庶民に愛された組だったのが、千秋親分になったら町民に非道の限りをつくす。今までよその組が組を乗っ取るという話は山のようにあるが、親分だけが変わって組の子分たちをそのまま従わせている話はほとんどない。これはいけそう。現代ヤクザ映画に仕立て直したら、おもしろいものになるぞ。!