ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『大阪ハムレット』(2009:光石富士朗)

 シネスイッチ銀座1にて『大阪ハムレット』(2009:光石富士朗)を見る。1500円(前売り券)。パンフレット600円。
 家族がおもしろい。肝っ玉母ちゃん・松坂慶子、急死した父ちゃん・間寛平の弟でいつの間にか母ちゃんとできてしまい家の家事を引き受けているおっちゃん・岸部一徳。この二人の関係だけでも充分おもしろいし、岸部一徳なんか過去がありそうで謎めいてもいる。
 松坂慶子の子どもたち三人がこれまたおもしろい。長男・久野雅弘はおっさん顔の中3で、大学4年生の加藤夏希と本気で恋愛する。
 次男・森田直幸は中1でツッパリ暴れん坊、でも家族思いで母ちゃんとおっちゃんの関係をハムレットばりに悩んでいる。
 三男・大塚智哉は小4で、女の子になりたいと本気で願っている。その願望を聞いたお母ちゃんの態度がエライ!一瞬、驚きはしたものの、三男坊の支えになっていこうと、おっちゃんともども決意する。
 その三男が、学芸会でシンデレラに抜擢される。最初はヤジを飛ばす子どもたち、失笑する大人たち、メゲる三男坊。たまりかねたお母ちゃん、立ち上がって何か言おうとする。それを優しく止めるおっちゃん。やがて、クラスメートの励ましもあり、立ち直ってハツラツと演じ出す。そこへ長男・次男もかけつける。観客たちは堂々たるシンデレラぶりに拍手喝采
 特異な家族を描くことによって、普遍的な家族の暖かさ、生きていることの素晴らしさを見事に伝えてくれた光石富士朗監督に、拍手喝采
 ステキな映画をありがとう!