ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

追悼・中丸忠雄さん

 4月23日、東宝で活躍された中丸忠雄(なかまる ただお)さんが、胸部動脈瘤破裂で、死去されました。76歳。ご冥福をお祈りいたします。葬儀は近親者で済ませたようです。
 6月13日午前11時30分から帝国ホテル(東京都千代田区内幸町1-1-1)にて「お別れの会」を開くようです。喪主は妻で国際政治評論家の薫さん。

 1933年3月31日、東京市足立区伊興町生まれ。本名、同じ。
 電気工学士の父・信太郎と母・ムメの二男三女の二男。
 1951年、足立学園から東京芸術大学洋画科に進む。
 1955年3月、東宝入社。仕出しとして『ゴジラの逆襲』(1955:小田基義)、『決闘巌流島』(1956:稲垣浩)、『蜘蛛巣城』(1957:黒澤明)などに出演する。
 1957年4月『象』(1957:山本嘉次郎)で本格的デビューする。
 『美女と液体人間』(1958:本多猪四郎)、『奴が殺人者だ』(1958:丸林久信)、『暗黒街の顔役』(1959:岡本喜八)、『手錠をかけろ』(1959:日高繁明)などの刑事役で力をつける。
 岡本喜八監督の『独立愚連隊』(1959)、『独立愚連隊西へ』(1960)の憎々しくもニヒルな軍人役で圧倒的な注目をあつめる。
 以後も、『暗黒街の対決』(1960:岡本喜八)、『暗黒街の弾痕』(1961:岡本喜八)、『暗黒街撃滅命令』(1961:福田純)などのやくざ幹部役などで存在感を見せつける。
 1968年、東宝を退社し、フリーとなる。
 舞台・テレビドラマも積極的に出演を続ける。
 最近の映画出演作は、『催眠』(TBS=東宝1999:落合正幸)の警察署長役。
 1966年3月19日、松村薫(国際政治評論家・中丸薫)と結婚、一男一女あり。

 『若い狼』(東宝1961.02.08公開、監督:恩地日出夫)
 27歳で監督昇進(公開時は28歳)した恩地日出夫のデビュー作。
 少年院帰りの川本信夫(夏木陽介)は、郷里の茨城でも職はない。恋人の広瀬道子(星由里子)を頼って再度上京。道子はすっかり変わり果て町のズベ公になっていた。やくざにだけはなりたくないと職を探す信夫、そんな彼を見て道子もまともな道を歩こうとするが、、、。
 中丸忠雄は、田波一家幹部で柏会会長・大木広に扮している。出番は少ないが、ヤクザ幹部らしく凄みをきかしている。
2000.05.24(水)記

 岡本喜八監督の最新作『助太刀屋助六』で岸部一徳が演じた役人、昔だったら中丸忠雄さんが演じただろうな、などと思いました。
2002.04.01(月)記

 以前、書いたものを引っ張り出してきて、追悼記とします。
 おりしも、シネマヴェーラ渋谷にて、『男対男』(東宝1960:谷口千吉)、『国際秘密警察・虎の牙』(1964:福田純)、『国際秘密警察・鍵の鍵』(1965:谷口千吉)を見たばかり。今後も何度となく、スクリーンにて中丸忠雄さんと出会うことを楽しみに、ひとまず、さようなら。