ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『月の光(トラン・ブーラン)』(新東宝1954:松林宗惠)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『月の光 (トラン・ブーラン)』(新東宝1954:松林宗惠)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第49弾]雪村いづみ」の第3週。800円(会員)。
 1943年末のシンガポール付近が舞台。現地の人々を懐柔する軍の方策のひとつとして日本語教育をしている小林伍長(小笠原弘)。そこの生徒でマライ娘・ベルダに扮したのが雪村いづみ。彼女がやや一方的に小林伍長に恋するというお話。小笠原弘はくせのない素直な演技で、現地人に理解ある先生を好演している。それは、松林宗惠監督の平和への願いを代弁しているようでもある。
 雪村いづみは全身を黒く塗りたくってマレー人になりきり、歌もセリフもマレー語(?)、一途に恋する乙女を熱演していた。
 雪村いづみの兄・アリに扮した沼田曜一やその恋人・メルドに扮した三原葉子もマレー人そのもの。ゲリラ隊長の天知茂は、彼と認識できなかったからなりきっていたのだろう。その一味である殿山泰司は個性が災いして、どう見ても殿山泰司にしか見えなかった(笑)。
 それにしても、ロケはどこで行なったのであろうか?マレー半島らしい雰囲気をよく出ていたと思うのだが、、、。