ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『孤狼の血』(2018:白石和彌)








 『孤狼の血』(2018:白石和彌)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン4にて見る。1000円。
 『仁義なき戦い」へのオマージュを込めて書いた柚月裕子・原作を東映京都ではなく東映東京撮影所で製作された作品。
 オマージュと公言しているくらいだから、『仁義なき戦い』に遠く及ばないのは解かっているが、主人公が役所広司では当たり前すぎて新鮮味がない。
 ここは江口洋介竹野内豊が暴力刑事をやるべきだった。映画で汚れ役をやれば、テレビドラマでいい人を演じられなくなるというリスクはあるが、ここは冒険してほしかった。
とは言え、主人公ははちゃめちゃな暴力刑事でもなく、最後はやっぱりいい人だったという、パターン。だったら、なおさら、江口洋介竹野内豊が演じるべきだった、残念。
ヤクザを演じた役者陣もイマイチどころか、まるで狂気が感じられない。パワー不足である。
阿部純子が汚れ役で、一皮むけるかと思いきや、松坂桃李との絡みも上品そのものであった。ヌードにならなくても、もっと官能的情熱的演技はできるはず。
唯一の救いは、松坂桃李の汚れ役へのチャレンジ精神。この調子でどんどん悪役に挑戦して欲しい。
『凶悪』が生涯の最高作とならぬように、白石和彌監督にはさらなる精進を願ってやまない。

2018年5月12日(土)鑑賞。
      キャスト
役所 広司      大上章吾(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係主任、巡査部長)
松坂 桃李      日岡秀一(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係、広島大学出身の県警から赴任巡査)
滝川 英次      毛利克志(呉原東署署長・警視正)
矢島 健一      友竹啓二(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係係長、警部補)
田口トモロヲ     土井秀雄(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係主任、巡査部長、)
さいねい龍二     菊地(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係、巡査)
沖原 一生      有原(呉原東署刑事二課暴力犯捜査係、巡査)
井上  肇      岩本恒夫(広島県警副本部長、警視長)
滝藤 賢一      嵯峨大輔(広島県警監察官、警視)
中村 獅童      高坂隆文(安芸新聞社記者)
阿部 純子      岡田桃子(薬局のアルバイト薬剤師)
真木よう子      高木里佳子(「クラブ梨子」のママ)
【尾谷組】
伊吹 吾郎      尾谷憲次(尾谷組組長、14年前の抗争で島根刑務所に服役中)
江口 洋介      一之瀬守孝(尾谷組若頭)
中村 倫也      氷川恭二(尾谷組構成員)
田中 偉登      柳田タカシ(尾谷組構成員、里佳子の愛人)
野中 隆光      備前芳樹(尾谷組構成員)
ウダタカキ      賽本友保(尾谷組元幹部、14年前の抗争で死亡)
【広島仁正会】
石橋 蓮司      五十子<いらこ>正平(五十子会会長)
中山  峻      吉原圭輔(五十子の舎弟)
黒石 高大      金村安則(五十子会の元幹部、14年前に死亡)
嶋田 久作      加古村猛(五十子会傘下の加古村組組長)
竹野内 豊      野崎康介(加古村組若頭)
音尾 琢真      吉田滋(加古村組構成員)
勝矢         苗代広行(加古村組構成員)
ピエール瀧      瀧井銀次(全日本祖国救済同盟代表)
町田マリー      瀧井洋子(銀次の妻)
駿河 太郎      上早稲<うえさわ>二郎(加古村組のフロント企業「呉原金融」経理係)
MEGUMI        上早稲潤子(二郎の妹)
九十九 一      善田新輔(養豚業の父親)
岩永ジョーイ     善田大輝(養豚業の息子)