『俺は用心棒』(東横1950:稲垣浩)を、国立映画アーカイブにて見る。5月3日から始まった「発掘された映画たち2022」の1本。420円。
89分ある作品が65分しかない。欠落部分は巻頭の、「幸福の印籠」を入手した主人公が喧嘩で牢に入り、就職口を逃す件り。ということで、その就職口の武家に詫びを言い、屋敷を出てくるあたりから始まる。往来で印籠を落とすカットが何やら意味ありげ。落とした印籠を屋敷の下人が拾って、千恵蔵に渡す。
てなところからスタートする。原版が雨ザーザーのプリント状態で、音質も悪く、何を言っているのかわからないシーンも多い。
音楽の伊福部昭は、封切り(2月19日)予定の3日前に依頼されて、京都に行き、作曲しては演奏・録音ということを1日がかりで行い、何とか間に合わせたとのこと。
内容は明朗時代劇というか、『用心棒』(1961:黒澤明)の先駆け的作品。二つのヤクザ抗争を口八丁でつぶしてしまう。けれども役人に追われる逃亡生活となり、ボロボロの乞食状態。月日が経過し、最後は恋していた女と再会してのハッピーエンド。
完全版だったら、かなりの高評価だったのだが、、、。
2022年5月5日(木)鑑賞
スタッフ
監督・構成 稲垣 浩
脚 本 伊丹 万作
製 作 マキノ光雄
企 画 岡田 寿之
撮 影 伊藤 武夫
照 明 西川 鶴三
美 術 嵯峨 一平
音 楽 伊福部 昭
録 音 佐々木稔郎
編 集 宮本信太郎
製作:東横映画
上映時間:89分(8巻 / 2,428メートル)
フォーマット:白黒・スタンダードサイズ(1.37:1)・24fps・モノラル録音
映倫番号:101
公開日:1950年2月19日
配給:東京映画配給(東映の前身)
キャスト
片岡千恵蔵 寒川八郎
月形龍之介 横田権兵衛
岸 旗江 旅の女(泥棒)
折原 啓子 お初
遠山 滿 五斗屋親分
花菱アチャコ 大串屋親分
加東 大介 雁九郎(大串屋の子分)
中野 清 与吉(お初の許婚)
香川 良介 代官
北見 禮子 酌取り女
杉 狂児 乞食
水野 浩 牢番
岬 弦太郎 Aの役人
朝雲 照代
橘 公子 狂った女
滝沢 静子
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