ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『メタモルフォーゼの縁側』(2022:狩山俊輔)







 『メタモルフォーゼの縁側』(2022:狩山俊輔)を、TOHOシネマズ日本橋スクリーン9にて見る。1200円。
 人づきあいが苦手な高校2年生・17歳の佐山うらら、楽しみは押し入れに隠しているBL漫画を読むこと。
 夫に先立たれて一人暮らしの市野井雪、75歳。夫の3回忌の帰り、暑さから逃れて本屋に立ち寄り、表紙の美しさに思わず購入した1冊の漫画。家に帰り読んでみたら、なんと若い男同士が好きあって、キスまでして、「つづく」。
 さっそく、2巻目を購入。3巻目を買おうとして、本屋でバイトしているうららと交流が始まる。孤独な二人、BLという共通の趣味はあれども、それを大っぴらにできない。ゆえに純粋な友情が育まれていく。
 劇中漫画の画面への挿入が巧み。うららと雪と同様に、二人の男たちに惹かれていき、その恋のゆくえを応援したくなる。
 漫画の主人公たちにリンクするように、うららと雪も行動的になる。雪の援助もあって、うららはコミケ自費出版した漫画を販売するまでに成長する。
 大きな出来事はなくとも、日常の生活を淡々と丁寧に描き切った狩山俊輔に拍手。『映画 妖怪人間ベム』(2012)『青くて痛くて脆い』(2020)の2作とも奇をてらった作品で成功したとは言えなかった。今回はしっかりと日常生活をこなしている人々に焦点を当てていて、一皮むけたような印象。テレビドラマ中心の人ではあるけど、今後も映画にチャレンジしてほしい。
 なお、芦田愛菜宮本信子の名演があったればこそ、は蛇足以外のなにものでもない、、。
2022年6月23日(木)鑑賞

     スタッフ
監 督      狩山 俊輔
脚 本      岡田 惠和
原 作      鶴谷香央理
         「メタモルフォーゼの縁側」
          (KADOKAWA)
エグゼクティブプロデューサー
         伊藤  響
製 作      沢  桂一
 〃       鳥羽乾二郎
 〃       長澤 一史
プロデューサー  河野 英裕
 〃       谷戸  豊
 〃       大倉 寛子
撮 影      谷  康生
美術デザイン   内田 哲也
美 術      小池  寛
装 飾      寺原ゴイチ
音 楽      T字路s
録 音      高島 良太
音響効果     佐藤 祥子
照 明      白鳥 友輔
編 集      木村 悦子
スタイリスト   三好マリコ
 〃       宮本 茉莉
ヘアメイク    金山 貴成
制作担当     宇佐美晴久
助監督      保母海里風
記 録      黒木ひふみ
配給宣伝統括   小嶋 功一
宣伝プロデューサー
         滝口 彩香
公開年月日:2022.06.17
上映時間:118分
製作会社:「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
製作幹事:日本テレビ放送網
制作プロダクション:日テレアックスオン
配給:日活

     キャスト
芦田 愛菜    佐山うらら
宮本 信子    市野井雪
高橋恭平(なにわ男子)
         河村紡(雪の幼なじみ)
古川 琴音    コメダ優(「君のことだけ見ていたい」の作者)
汐谷 友希    橋本英莉(雪のクラスメート)
伊東 妙子(T字路s) 佐山美香(うららの母親)
菊池 和澄    ちまき(コメダ優の助手)
大岡周太朗    まさき(書道教室の生徒)
生田 智子    花江(雪の娘)
光石  研    沼田(印刷所経営、まさきの祖父)
  ?      うららの担任
  ?      書店のチーフ店員


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