『米』(東映東京1957:今井正)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の1本。310円。
米(118分・35mm・カラー)
追悼:(出演)江原真二郎(田村次男)
貧困に苦しむ農民の生活が霞ヶ浦の美しい田園風景のうちに詩情豊かに綴られる。初のカラー映画で色彩を活かすリアリズムを追求した今井正は、その一環としてスター俳優の代わりに新人の江原真二郎を主演に抜擢。江原は今井の次回作『純愛物語』(1957)でも主演を務め、中原ひとみとともに「純愛コンビ」として人気を集めた。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
初見。今まで何度も見るチャンスはあったが、またそのうち見ることができるだろう、ということで、のびのびとなっていて、やっと念願かなって満足、満足。
舞台は霞ヶ浦に面した農村、田植え祭から始まり、稲刈り時期の秋祭りまでの半年。国の堤防工事の出稼ぎに出ていた二男・江原真二郎が仕事がなくなり、実家の田植え手伝い。長男・南原伸二と土地を少し分けてくれ・やらないの諍い。
兄貴分・木村功たちと対岸の村に行き娘たちを覗きにいく。貧しい家の素朴な中村雅子に一目ぼれ。
木村功の相方として帆曳漁に出る江原。何日間のワカサギ漁の分配金11000円。1956年の大卒初任給は8700円。でも漁ができる期間は半年間だけ。しかも収獲が見込めるのは2ヶ月ぐらいとのこと。木村や江原のような田畑を持たない者は、土地持ちの家に婿養子になったり、自衛隊に入ったり、日雇いになったり、魚問屋の下請け歩合の漁をしたり、、、、。
戦前の日活多摩川作品の伝統を受け継ぐリアリズムの極致。救いは江原と中村の恋愛だけ。ラストも望月優子の葬式、、、。
この作品で江原真二郎と中原ひとみが出会い、次の『純愛物語』(1957:今井正)で恋愛へと発展し、結婚。それは誰もが納得する展開。
中村雅子とその父親・加藤嘉が翌年には結婚するとは、22歳の年齢差。
2023年7月18日(火)鑑賞
スタッフ
監 督 今井 正
脚 色 八木保太郎
原 作 八木保太郎
製 作 大川 博
企 画 マキノ光雄
〃 本田延三郎
〃 吉野 誠一
撮 影 中尾駿一郎
美 術 進藤 誠吾
音 楽 芥川也寸志
録 音 岩田 廣一
照 明 元持 秀雄
装 置 小山 鶴雄
編 集 長澤 嘉樹
記 録 大内小枝子
色彩計測 高梨 昇
助監督 鷹森 立一
メーキャップ 高木石太郎
メーキャップ 鈴木 リセ
スチール 田中 牧夫
進行担当 大木 福映
舞踊指導 花柳徳兵衛
現 像 東洋現像所
公開年月日:1957.03.04
上映時間:118分
カラー/スタンダード/35mm
製作会社:東映東京
配給:東映
キャスト
江原真二郎 田村次男(二男)
南原 伸二 田村栄吉(長男)
藤里まゆみ 田村とみ子(栄吉の妻)
原 泉 田村うめ(栄吉・次男・よしのの母親)
中原ひとみ 田村よしの(長女)
森下 義秀 田村英雄(栄吉の長男)
島森 マヤ 田村八重子(栄吉の長女)
加藤 嘉 安田竹造(千代・善助の父親)
望月 優子 安田よね(千代・善助の母親)
中村 雅子 安田千代(竹造・よねの長女)
寺田 誠 安田善助(竹造・よねの長男)
木村 功 仙吉
岡田 敏子 定子(仙吉の妹)
梅津 栄 武
清村 耕次 五郎(キャンデー屋)
杉 狂児 問屋の親方
花沢 徳衛 はえ縄の作造
芥川 笑子 いね子
若木 悦子 かず子
稲植 徳子 たみ子
宮田 悦子 広子
岡部 正純 若い漁師A
豊野弥八郎 若い漁師B
久保 一 若い漁師C
潮 健児 若い漁師D
山形 勲 太田松之助(地主)
陶 隆 警官
長島 隆一 鰻問屋の若衆
高橋 京子 風呂場の娘
三好 久代 風呂場の娘の母
日野 明子 都会の女・とき子
山本 緑 隣りの女房
織本 順吉 笹浸しの漁夫A
滝 謙太郎 笹浸しの漁夫B
牧野 狂介 笹浸しの漁夫C
香月三千代 笹浸しの漁夫D
戸田 春子 村の農婦
不忍 郷子 バスの中の農婦
鈴木 暁子 バスの車掌A
佐山二三子 バスの車掌B
須藤 健 監視船の係官A
朝比奈 浩 監視船の係官B
望月 伸光
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