ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『へそくり社員とワンマン社長・ワンマン社長純情す』(東宝1956 :小田基義)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『へそくり社員とワンマン社長・ワンマン社長純情す』(東宝1956:小田基義)を見る。46分。
 渡辺交易では社内恋愛にはうるさく、結婚したら女性が会社を辞めなければならない。そうなると暮らしていけない。
 舟橋元と中田康子のカップルは、会社には内緒で同棲を開始。それを横で見ている小泉博と北川町子のカップルは、自分たちの結婚はいつになることやらとやや悲観的になる。
 そんな時、社長・柳家金語楼の妻・清川玉枝が「私も一度でいいから、仲人をしてみたいわ」の一言。そこで金語楼社長は仲人をすべく、社内恋愛OKのお達し。小泉博がさっそく、特別祝い金などを計算して捕らぬ狸のなんとやら。でも北川町子の「それで月給は上がるの?」の一言にしゅんとなってしまう。
 そんなおり、平田昭彦が中田康子を誘惑し、危機一髪というところを三木のり平の機転で助かる。翌日、それを知った小泉は平田を殴り倒す。平田は金語楼に「彼を辞めさせなければ父(藤原釜足)に言って取引停止にしてもらう」と脅しをかける。それとは関係なく、小泉は辞表を提出。
 ここでえらいのが金語楼社長、かわいい社員を守り、藤原大社長に謝りにいく。藤原社長もりっぱ。放蕩息子・平田の告げ口など無視して、「あなたのところと取引しているのは、一番条件がいいからです。確実に利益が上がるのに、放棄するなんて経営者として失格です」というようなことを言ってくれて一件落着。
 ラストは、舟橋元・中田康子の仲人を無事済ませた金語楼・清川玉枝夫妻、これに味を占めて、次は小泉博・北川町子の仲人を目論むというところで、ジエンド。
 それにしても、三木のり平の宴会芸は絶品である。まさに人間国宝級の域に達している。今回は藤原釜足社長の宴席での芸者姿、抱腹絶倒ものであった。