『三等重役』(東宝1952:春原政久)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)・小ホールにて見る。10月4日より始まった「東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)」の1本。310円。再々見。
『三等重役』(98分・35mm・白黒)
前社長が公職追放となったことで、思いがけず社長となった桑原(河村)は、人事課長(森繁)と一緒に会社の様々な問題に対処していく。「やとわれ社長」の桑原を中心にサラリーマンの哀歓を喜劇的に描く。大ヒットとなり、課長役の森繁久彌をスターに押し上げ、1956年から始まる「社長」シリーズにつながった。製作の藤本真澄<さねずみ>はサラリーマン喜劇、「若大将」シリーズなどの明朗な娯楽作から、成瀨巳喜男監督作など文芸映画まで、数多くの名作を世に送り出した。
以上、NFAJの解説より。
松竹出身の河村黎吉が、オーナー社長の後を継いでのサラリーマン社長。その喜怒哀楽を巧みに演じていて、おもしろくもあり、安心して見られる。
幹部社員の妻たちが集う美容院(前社長令嬢が経営)での会話から生まれた、亭主たちのへそくり防止の秘策。なんと、ボーナスを社長直々に社員の妻たちに渡すというもの。これには社員たちが大いに落胆、妻たちは意気揚々と帰りは喫茶店のお茶会へ。
しかし、敵もさる者。妻たちが帰ったあと、浦島人事課長が社長室に飛び込んできて、「大失態です。別封筒に入れていた特別賞与分をうっかり渡しそこないました」
社長は、「それはわたしのぶんもかね?」「はい、全員分であります」
社長はニコリとして「それは、大失態、さっそく社員たちに配りなさい」
と、河村黎吉・森繁久彌、あうんの呼吸のシーンであった。
社長秘書課員・島秋子、そして前社長令嬢と結婚する役の城正彦は、新人だったが、その後伸びなかったのか、消えてしまったようだ。
2022年11月8日(火)鑑賞
スタッフ
監 督 春原 政久
脚 色 山本嘉次郎
〃 井手 俊郎
原 作 源氏 鶏太
「サンデー毎日」連載 毎日新聞所載
製 作 藤本 真澄
撮 影 玉井 正夫
照 明 大沼 正喜
美 術 北川 恵笥
音 楽 松井 八郎
録 音 下永 尚
監督助手(チーフ) 筧 正典
監督助手 梶田 興治
製作主任 金巻 博司
現像:東宝現像所
公開年月日:1952.05.29
上映時間:98分
白黒/スタンダード
製作会社:東宝
配給:東宝
キャスト
河村 黎吉 桑原・南海産業社長
沢村 貞子 夫人・千里
井上 大助 息子・大助
森繁 久彌 浦島太郎人事課長
千石 規子 浦島夫人
小林 桂樹 若原・秘書課員
島 秋子 久保青子・秘書課員
大泉 滉 村尾・営業課員
木匠久美子 木原トキ子(村尾と結婚)
小川虎之助 奈良・南海産業前社長
三好 栄子 夫人・とり子
関 千恵子 娘・由紀子
坪内 美子 お鶴(奈良前社長の愛人)
進藤英太郎 藤山社長
岡村 文子 夫人・京子
藤間 紫 おこま(藤山の愛人)
小野 文春 田口・南海産業東京出張所長
越路 吹雪 道子(お好み焼き屋経営)
清水 一郎 高野営業部長
荒木 道子 高野夫人
村上 冬樹 千葉・庶務課長
高堂 国典 勝田頭取
城 正彦 勝田亮助(勝田頭取の三男)
音羽久米子 「ニューヨーク」のマダム
清川 玉枝 東京・「久の家」の女将
堺 佐千夫 南海産業東京出張所社員
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