ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『警視庁物語・顔のない女』(東映東京1959:村山新治)

 東京国際映画祭の「映画が見た東京」特集、『警視庁物語・顔のない女』(東映東京1959:村山新治)をル・シネマ1にて観る。
 警察物のスペシャリスト・長谷川公之の脚本である。コツコツとした地道な捜査をていねいに描いた村山新治の演出がいい。シリーズの中で突出した作品ではないが、刑事たちの私生活(花沢徳衛に4人目誕生とか)も垣間見れて、ちょいと楽しい。
 ただ、緊迫感がちょっと欠けでいる。たとえば、バラバラ死体の一部が上がった、と報告する警察官のシーンなど。現代の警察物ドラマ・映画の過剰なリアクションを見慣れているせいとも言えない。いくら刑事たちの捜査をリアルに描くのが狙いとは言え、もう少しメリハリをつけてもよかったのでは。
 トップクレジットに佐久間良子。被害者の肉親か犯人の恋人として登場するのかと思いきや、最初の容疑者・今井健二が片思いしているご令嬢役。しかもワンシーンだけであった。