ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『一刀斎は背番号6』(大映東京1959:木村恵吾)

 シネマヴェーラ渋谷にて、「スポーツする映画たち」特集の1本『一刀斎は背番号6』(大映東京1959:木村恵吾)を観る。
 剣の達人・一刀斎(菅原謙二)が武者修行のために上京。後楽園球場での素人打撃大会にかり出されて、西鉄ライオンズの稲尾投手からホームランを打つ。たちまち大毎オリオンズにスカウトされて、打率10割のホームランバッターの人気者となる。
 発想は素晴らしい。しかし、映画はまるっきりはずんでいない。江戸時代からタイムスリップしたような菅原と、プロ野球という現代の最先端の世界とのギャップを描いてこそ、面白みが増すというもの。あるいは、旅館の娘・叶順子や合気道達人の娘・仁木多鶴子やミュージカルダンサー・春川ますみとのラブコメディをもっとふくらませば。
 やりようによっては快作にもなりえたのに残念である。それと、せっかく自分のとこの(大映永田雅一がオーナー)大毎オリオンズの選手が出ているのに、クレジットタイトルに名前が出ただけで、劇中でも紹介すべきだった。私なんか、山内しか確認できなかった。