ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『当りや大将』(日活1962:中平康)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『当りや大将』(1962:中平康)を見る。モーニングショー・中原早苗特集の6週目。800円(会員)。
 大阪のドヤ街・釜ヶ崎、金のありそうな車に当たってはひと稼ぎする大将・長門裕之。女と遊ぶために轟夕起子の金を騙して使ってしまうような男でもある。だが、騙した轟夕起子の交通事故死をきっかけに反省し一念発起。博打場と化した公園に、子供たちのためブランコを設置しようとする。
 この頃の長門裕之は何を演ってもうまい、うますぎである。ヒロインは、ベンテンのお初・中原早苗、この二人いいコンビである。脇にまわると、ほんとに光り輝く。
 ということで、長門裕之の単独主演を助ける脇役もおらず、作品としては力不足であった。
 轟夕起子が口ずさむ「♪雪のふる街を~♪」が妙に心に残る。そしてブランコ。この3点で、中平康黒澤明にオマージュを捧げているのかもしれない。