ラピュタ阿佐ヶ谷にて『幸福はあの星の下に』(東宝1956：杉江敏男)を見る。モーニングショー・木暮実千代特集の一編。スタンプがたまっての招待券使用。
木暮と岡田茉莉子の母娘ものかと思いきや、実千代姐さんのもとで修行中の駆け出し芸者というのが岡田の役回り。本筋は身分の違いから、乳飲み子を手離した木暮の母もの。
木暮実千代が見せてくれるのは当然だが、今回感心したのが花井蘭子。元芸者で、今は踊りの師匠で年下の絵描き・伊豆肇と一緒に暮らしている。この花井蘭子と木暮実千代との掛け合いが粋な姐さん口調で楽しい。心がはずんでくる。
木暮と昔の恋人・上原謙と息子・久保明の橋渡しをするのが花井蘭子。没落した上原謙を金銭面で援助する花井。その金の出どころが木暮だということは上原には秘密。花井蘭子の出番が多く大活躍、彼女のフィルモグラフィでも戦後作品ではベスト３ぐらいに入るのではなかろうか。
それと上原謙の妻で久保明の育ての母親に扮した東郷晴子、こんなにも美しく心清らかな彼女を見たのは初めて。ひょっとすると東郷晴子のベスト作品かもしれない！
