ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

映画を支えるデザインの仕事




 和田誠展「書物と映画」は世田谷文学館2階で開催されているが、その1階常設展では「第2期 映画を支えるデザインの仕事」が展示されている。
 成瀬巳喜男監督と27作品もコンビを組んだ美術・中古智、主に稲垣浩とコンビを組んだ美術・植田寛、そして衣裳デザイナー・柳生悦子の3人を紹介している。
 それぞれが関わった作品のポスターが天井近くの2段に渡ってズラリと並び、その下のショーケースには、美術デッサンやら設計図やら、衣裳デザインの数々。
 特筆すべきは、あまり紹介されることのない柳生悦子さんのコーナー。1929年生まれの柳生悦子さん、東京芸術大学図案科在学中から松山崇に師事し、映画美術の助手を務め、卒業後は衣裳デザイナーへと進出して『ロマンス娘』(東宝1956:杉江敏男)から1本立ちしたような。でも『カルメン故郷に帰る』(松竹大船1951:木下惠介)のポスターが貼ってあったので、あの奇抜な衣裳デザインに関わったのかもしれない。
 『大当たり三色娘』(東宝1957:杉江敏男)、『お姐ちゃん罷り通る』(東宝1959:杉江敏男)、『妖星ゴラス』(東宝1962:本多猪四郎)、『君も出世ができる』(東宝1964:須川栄三)、『日本海大海戦』(東宝1969:丸山誠治)、『敦煌』(1988:佐藤純爾)、など数多くの衣裳を担当している。その精緻なデッサンは、衣裳を実際に作る人のために事細かにメモが書かれている。実にすごいもんである。
 東宝ファン、いや映画ファン必見の展示物です。ぜひ、足を運んでください。9月25日までです。
世田谷文学館
東京都世田谷区南烏山1-10-10
TEL:03-5374-9111
京王線芦花公園駅南口徒歩5分
http://www.setabun.or.jp/

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