ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『へうたんから出た駒』(大映東京1946:千葉泰樹)

 フィルムセンター「よみがえる日本映画vol.4[大映篇] -映画保存のための特別事業費による」にて、『へうたんから出た駒』(大映東京1946:千葉泰樹)を見る。500円。
 東京の焼け跡。そこにバラック建物を建てて、戦地からいつ帰還するのかわからない息子・兄を待つ、浦辺粂子・岩田芳江親子。環境衛生の悪く寝たり起きたりの母親を心配する芳江。そんな親子を見かねて、近所に住む見明凡太郎と潮万太郎が田舎へ買い出しに出掛ける。
 焼け跡やら買い出し列車への行列やら、その列車のぎゅうぎゅう詰めぶりなど、当時の風景をリアルタイムに切り取っていて、興味深い。
 また、行列に並ぶ人々を評して「秩序正しく整然と並ぶことこそ、我が日本人の誇らしい美徳である」。これは、65年たった今でも引き継がれているなあ、妙に感心してしまう。
 買い出しに行った二人組、サイレント喜劇的な小ネタのギャグ(今見るとほとんど笑えないが)をかましながら、何とか目的を達成。と思いきや、一斉摘発にあってしまう。何とか逃げ出して、雨宿りした先がお屋敷の防空壕。そこには、元軍人・山口勇の隠匿物資が山積み状態。
 翌日、たまたま取材に来た新聞記者に見つかり、スクープ記事。これが作品名の『へうたんから出た駒』である。
 松竹蒲田・大船で活躍した逢初夢子さんは、山口勇の妻役で登場。戦中戦後を隠匿物資で儲けている北龍二に、米やら日用品などをさりげなくおねだりする普通のおばさんになってしまった。
にほんブログ村」に参加しています。応援クリックお願いします。
[https://movie.blogmura.com/movie_japanese/ にほんブログ村 映画ブログ 日本映画(邦画)]
[https://movie.blogmura.com/movie_director/ にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優]