『女体』(東宝1964:恩地日出夫)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の1本。310円。
女体(94分・35mm・白黒)
追悼:(監督・脚本)恩地日出夫、(監督助手)中野昭慶、(出演)坂本スミ子(乾美乃)
田村泰次郎の小説「肉体の門」、「埴輪の女」を恩地が自ら脚色して映画化。東京の郊外で洋服店を営むマヤ(団)は、昔の仲間との再会をきっかけに敗戦後の闇市で娼婦として生きていた頃を思い出す。歌手活動のみならず女優としても頭角を現していた坂本スミ子が娼婦の一人を好演。当時物議を醸した牛殺しシーンの撮影には、中野昭慶がノンクレジットで参加している。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
再見。
「肉体の門」は1947年発表、「埴輪の女」は1960年発表。「埴輪の女」が「肉体の門」とどれだけ関連づけられているのかわからないが、映画では1946年頃の登場人物が1964年まで生き残った、という設定。
1964年のデパート。義母と息子と一緒にバーゲンセール目当てにやって来たマヤ。そこで1946年当時の仲間・せんと再会する。そこから、マヤは現在の幸せな生活に物足りなさを感じ始め、1946年の悲惨だったが刺激的な生活に思いをつのらせる。一方、せんはマヤの安定した幸せな主婦の生活にあこがれる。
初見の記憶では、肉体の世界が延々と繰り広げられていたという印象だったが、今回改めて見ると、1946年のパートはほんの少しで、1964年現在の生活が主体であった。現在の描写が忘れてしまうほど、1946年の牛殺しシーンは強烈だった、ということか、、、。
先日の、恩地日出夫監督夫人の美術デザイナー・星埜恵子さんの挨拶でチラッと触れていたが、この作品あたりから、監督は自殺願望になってしまい、そこから救ってくれたのが武満徹だったとか。詳しいことはわからないが、作品を見るとなんとなくわかるような気もする。
2023年10月22日(日)鑑賞
スタッフ
監督・脚本 恩地日出夫
原 作 田村泰次郎「肉体の門」「埴輪の女」
製 作 市川 久夫
撮 影 内海 正治
美 術 育野 重一
音 楽 武満 徹
録 音 藤好 昌生
整 音 下永 尚
照 明 高島 利雄
編 集 黒岩 義民
スチル 田中 一清
監督助手 西村 潔
製作担当者 江口 英彦
監督助手 藤井誠之助
〃 今村 一平
美術助手 鈴木 一八
〃 栗山 吉正
〃 大谷 淳三
小道具 秋元 和男
〃 田村 正弘
〃 橋本 俊雄
衣 裳 坂尾 幸
結 髪 丸山 澄江
技 髪 牧野 勇
記 録 山本 淑子
作品係 松山 元計
経理担当 梅浦 洋一
宣伝係・宣伝 白石 剛敏
製作係 広岡 常男
現像 :キヌタ・ラボラトリー
公開年月日:1964.09.19
上映時間:94分
モノクロ/シネスコ/35mm
製作会社:東宝
配給:東宝
キャスト
団 令子 菅マヤ
楠 侑子 浅田せん
南原 宏治 伊吹新太郎
千之 赫子 菊間町子
岩崎 豊子 安井花江
坂本スミ子 乾美乃
稲垣 昭三 洸二(マヤの夫)
地神 勉 勝巳(マヤの子供)
村田嘉久子 千代(マヤの姑)
峰 健二 高木宏(せんのつばめ)
伴ヘンリー ミスター周
小栗 一也 国民服の男
黒沢 年男 フロントの男
山田 彰 クラブボーイ
トム・モア 外人客
ドウ・ピーリントン 外国婦人
田辺和佳子
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