フィルムセンターにて『アスファルト・ガール』(大映東京1964:島耕二)を見る。
1964年は、ミュージカル映画が3本も作られたということで、日本映画史上エポックメーキングな年として忘れることができない。『君も出世ができる』(東宝1964:須川栄三)と『ああ爆弾』(東宝1964:岡本喜八)は1970年代早々には見て、その後何度も見ているというのに、この『アスファルト・ガール』だけは見るチャンスがなかった。今回やっと見ることができ、単純にうれしい。
中身は、というと、やはり上映されないだけの出来具合だ。おもしろくない。ミュージカルナンバーがのれない。曲に歌詞がちゃんと乗っかっていない。踊りも本場の振付師を招いた努力が実を結んでいない。日本的に消化し切れていない。
後半、中田康子と坂本博士の恋愛に集中してくると、なんとか安心してみていられるようになったが。