ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『33号車応答なし』(東宝1955:谷口千吉)

 池袋・新文芸坐にて2月24日(土)より始まった「二枚目スター池部良の魅力のすべて」の1本『33号車応答なし』(東宝1955:谷口千吉)を見る。
 これは傑作!!黒澤明が絡まない作品では、谷口千吉の最高作かも。
 クリスマスイブ、パトカー乗務員の志村喬池部良の勤務をドキュメンタリーっぽく追っていく。本部との無線のやり取り、これが後半のカージャックでの伏線ともなっている。
 キャバレー客の苦情処理に駆けつけたり、土屋嘉男・河内桃子夫妻の出産を助けたり、と様々な出来事に遭遇する。
 志村喬は妻の何回目かの出産を、池部良は妻・司葉子との夫婦喧嘩を、それぞれ気にかけつつも、しだいに、犯人・平田昭彦との遭遇が近づいてくる。ここらへんの伏線の張り方、サスペンスの盛り上げ方、うまい。鈴木英夫もビックリ。谷口千吉監督、やればできるじゃないの!