『黒の超特急』(大映東京1964:増村保造)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の1本。310円。
黒の超特急(93分・35mm・白黒)
追悼:(出演)藤由紀子(田丸陽子)
「黒」シリーズの最終第11作。岡山で不動産屋を営む桔梗(田宮)は、ある男の訪問を機に、新幹線建設をめぐる汚職事件に関わっていく。「メロドラマ女優」の型にはまらない大型新人として売り出された藤由紀子が、冷たい表情の奥に欲望と野心を秘めたヒロインを演じ、男性キャスト中心の本作でひときわ存在感を放つ。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
再見。
岡山の細長い土地を自動車工場が建つという名目で地主たちから20万坪、坪単価7000円、総額14億円で加東大介が買い取る。実はその土地は新幹線が通る用地だった。加東大介は新幹線公団に高く売りつけて差額を丸儲け。岡山の地主たちからの買収を手伝わされた田宮二郎は、上京して加東大介への復讐工作を始める、、、。
狭い空間での二人の対峙、田宮の肩越しのとらえる加東のバストショット、切り返して加東の背中越しに田宮二郎のアップ。増村保造が得意とするカメラアングル。見るものをぐいぐいと引き込む緊迫した演出力。田宮がヤクザ3人に暴行されるシーン、寄り気味のショットでアクションの連続技、これでもかというくらいに執拗な暴行、リアルな演出である。
藤由紀子(1942.12.17~2022.?)は、『熱愛者』(松竹大船1961:井上和男)にてデビュー。『永遠の人』(松竹大船1961:木下惠介)、『めぐり逢う日まで 純白の巻』(松竹大船1961:田畠恒男)、『めぐり逢う日まで 真紅の巻』(松竹大船1961:田畠恒男)、『晴子の応援団長』(松竹大船1962:酒井欣也)に出演後、フリーを経て1962年12月に入社。18本に出演して1965年5月に田宮二郎と結婚し引退。
2023年7月21日(金)鑑賞
スタッフ
監 督 増村 保造
脚 色 白坂依志夫
〃 増村 保造
原 作 梶山 季之「黒の超特急」より
企 画 藤井 浩明
撮 影 小林 節雄
美 術 下河原友雄
音 楽 山内 正
録 音 飛田喜美雄
照 明 渡辺 長治
編 集 中静 達治
スチル 大葉 博一
助監督 帶盛 迪彦
製作主任 上嶋 博明
公開年月日:1964.10.31
上映時間:93分
モノクロ/シネスコ/35mm
製作会社:大映東京
配給:大映
キャスト
田宮 二郎 桔梗敬一(岡山の不動産屋)
藤 由紀子 田丸陽子(財津の秘書→二号)
船越 英二 財津政義(新幹線公団専務理事)
加東 大介 中江雄吉(東西開発社長)
石黒 達也 工藤(憲民党の実力者)
町田 博子 長沼博子(中江の女房)
穂高のり子 財津の夫人
大西 恭子 不動産屋の若い女(岡山の桔梗)
早川 雄三 加田(地主)
高村 栄一 大藤(地主)
春本富士夫 小林(地主)
槙 俊夫 地主
隅田 一男 地主
佐々木正時 地主
毛利 敏夫 ?
中条 静夫 証券会社の社員
小杉 光史 東西開発の事務員A
高見 貫 東西開発の事務員B
真杉美智子 東西開発の事務員C
目黒 幸子 田丸の隣りの奥さん
村田扶実子 煙草屋のおかみさん
小山内 淳 すし屋の板前
中田 勉 肉屋の店員
酒井 三郎 公団の受付
南堂 正樹 公団の人事課員
杉森 麟 公団の係長
大山 健二 公団の守衛
上田吉二郎 旅館の主人
谷 謙一 マンションの管理人
千波丈太郎 やくざ風な男
橋本 力 やくざ風な男
九段 吾郎 やくざ風な男
三島 愛子 料亭の女中
松村 若代 旅館の女中
守田 学 刑事A
原田 詃 刑事B
花布 辰男 検事
竹内 哲郎 超特急の客
杉山 明 証券会社の社員
米沢富士雄 ?
有島 圭子 ?
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