『花いちもんめ』(東映京都1985：伊藤俊也)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の１本。310円。
花いちもんめ(125分・35mm・カラー)
追悼：(脚本)松田寛夫、(出演)西郷輝彦(鷹野治雄)
認知症が進む父(千秋)を引き取った長男夫婦(西郷、十朱)は家庭を立て直していく。東映が『楢山節考』(1983：今村昌平)に続き老親の題材を扱い、『誘拐報道』(1982)の伊藤俊也と松田寛夫のコンビを起用。取材を重ねながら演出家とライターとの共同作業として、松田は綿密な構成のオリジナル脚本を練り上げた。「御三家」の一人である人気歌手の西郷輝彦は、70年代からTVを中心に俳優としても活躍し、本作では介護問題に直面する会社員を好演。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
1985年の封切りで見て以来の再見。
認知症専門の病院がひどい。十何人も一緒の大部屋。戦時中の野戦病院なみ。取材した結果の創作、1980年代はこんな状況だったんだろう。妻・十朱幸代に介護をまかせっきりにしていた西郷輝彦も、衝動的に父親・千秋実を退院させて故郷・島根へと帰る。ラストは心の安らぎを見いだした鷹野一家、というところで終わる。
当時はあまり実感がわかなかったが、2020年代の今は我がことのように感じる。できることは健康を維持することだけだが、、、、。
2023年８月３日(木)鑑賞
スタッフ
監 督 伊藤 俊也
脚 本 松田 寛夫
企 画 日下部五朗
プロデューサー 奈村 協
〃 中山 正久
撮 影 井口 勇
美 術 山下 謙爾
〃 小林 勝美
音 楽 池辺晋一郎
録 音 栗山日出登
照 明 増田 悦章
編 集 市田 勇
監督補佐 土橋 亨
スチール 大木 茂
医学監修 西村 健
装 置 稲田源兵衛
装 飾 西田 忠男
背 景 西村 三郎
助監督 比嘉 一郎
整 音 荒川 輝彦
記 録 森村 幸子
衣 装 森 護
演技事務 寺内 文夫
美粧結髪 長友 初生
美粧結髪 福本 ルミ
ヘアー 熊本 悦子
方言指導 疋田 泰盛
方言指導 弥□ 秀道
方言指導 松井 幸子
算盤指導 永場 三郎(永場算盤製作所)
宣伝プロデューサー 松田 仁
〃 山本八州男
製作宣伝 丸国 艦
進行主任 山本 吉應
撮影協力 島根県観光連盟
〃 島根県沖泊区
〃 MMC三菱自動車
〃 ダイハツ工業
〃 大阪南港エバーグリーン
〃 三朝温泉観光協会
〃 一畑電気鉄道
〃 一畑
〃 ニック
〃 カナツ技建工業
〃 キリンビール株式会社
〃 しがらき宗陶苑
〃 東映俳優センター
〃 東映京都美術センター
公開年月日：1985.10.10
上映時間：122分
カラー／ビスタ／35mm
製作会社：東映京都
配給：東映
キャスト
十朱 幸代 鷹野桂子(花屋のパート)
西郷 輝彦 鷹野治雄(スーパー店長、冬吉の長男)
長谷川真弓 鷹野里美(娘)
岩渕 健 鷹野豊(息子)
野川由美子 金子信恵(冬吉の長女)
林 彰太郎 金子精一(信恵の夫)
二宮さよ子 鷹野光恵(冬吉の二女)
岸部 一徳 石本義和(光恵の恋人)
中田 喜子 飯塚友子(スーパー事務員、治雄の愛人)
内藤 武敏 館長(松江歴史史料館)
三浦 真弓 看護婦
神山 繁 神経内科医師
河野美地子 女子研究員
末広真季子 児島洋子(花屋店主)
田山 涼成 米屋(松江の自宅配達)
久米 明 ビデオのナレーター
成瀬 正 セールスマン風の男(エレベーターで乗り合わせ)
加藤 治子 鷹野菊代(冬吉の妻)
千秋 実 鷹野冬吉(元大学教授→松江歴史資料館勤務)
丸平 峯子
宮川 珠子
宮城 幸生
元松 功子
タンクロー
疋田 泰盛
岡嶋 艶子
平河 正雄
藤沢 徹夫
池田 謙治
大江 光
野村 鬼笑
阿由葉秀郎
春藤 真澄
小峰 隆司
白井 滋郎
小坂 和之
峰 蘭太郎
木下 通博
星野美恵子
富永佳代子
上野 秀年
土井 健守
鈴木真由美
金森 恭子
内藤 直久
佐貫ツネ子
佐貫 吉孝
毎日映画コンクール
演技特別賞 千秋 実『花いちもんめ』の充実した演技、多年の功績に対して
ブルーリボン賞
主演男優賞 千秋 実『花いちもんめ』
主演女優賞 十朱幸代『花いちもんめ』『櫂』
日本アカデミー賞 第９回(1985年)
最優秀作品賞 『花いちもんめ』
最優秀主演男優賞 千秋 実『花いちもんめ』
最優秀脚本賞 松田寛夫『花いちもんめ』
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