ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『警察官』(新興キネマ1933:内田吐夢)




以上、『警察官』(新興キネマ1933:内田吐夢)より


 『警察官』(新興キネマ1933:内田吐夢)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「返還映画コレクション(1)第一次・劇映画篇 Repatriated Film Collection [Part 1] : Fiction Films, 1930~1945」特集の1本。310円。
警察官(121分・18fps・35mm・無声・白黒)
1933(新興キネマ)(監)内田吐夢(原)竹田敏彦(脚)山内英三(撮)相坂操一(美)水谷浩司(出)小杉勇、中野英治、松本泰輔、森静子、生方一平、荒木忍
 伊丹(小杉)は銀行強盗事件を捜査するうち非情な現実に直面する。共産党による「赤色テロ」として世間を騒がせた「赤色ギャング事件」(1932)が下敷きになったサイレント期のノワール作品。国策に沿って製作されたが、東京の街並みを捉える荒々しいキャメラワークや明暗差の激しい画面構成によって、追う者と追われる者の苦悩と緊張感を鮮やかに描き出している。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)

 夜間の検問中に、学生時代の旧友と再会する警察官・伊丹と金持ちの息子・富岡。また、同じ日、尋問した車中には社長風の中年男とカフェの女給。その女給は警察官が親しくしている子どもの姉だった。その尋問のせいか、子ども一家は引っ越していなくなってしまう。そのことに心を痛ませる伊丹。
 別の夜、銀行強盗事件発生。伊丹と先輩警官・宮部は現場へ。格闘の末、一人は逮捕。しかし、宮部は逃げたもう一人に撃たれて重傷。自分のせいだと、煩悶する伊丹。
 一方、伊丹と富岡は旧交を温めて、学生時代を回想する。ここら辺は、長々とした字幕タイトルが何枚もさしこまれ、かなり抒情的。
 やがて、富岡が犯人ではないかと疑いの目を向け始めた伊丹は、単独で張り込みを始める。その単独捜査は何日も続き、その間に宮部警官は殉職。単調なストーリー展開で、退屈の一歩手前までいったところで、夜間の大捕り物の開始。
 このシーンは、スリリングでハラハラドキドキ、躍動感に満ち溢れている。夜の屋根伝いに逃げる一味。そこにスポットライトを当てる。追いかける警官、逃げる犯人。時代劇の「御用、御用!」という捕物シーンを見ているようだ。このクライマックスのおかげで、長い陰々滅滅たるシーンの不満も解消されて、満足、満足。
2023年12月5日(火)鑑賞

       スタッフ
監 督        内田 吐夢
脚 本        山内 英三
原 作        竹田 敏彦
撮 影        相坂 操一
撮影助手       美津井 明
撮影助手       八木  博
照 明        上田 貞造
舞台設計       水谷 浩司
舞台裝置       正村澤次郎
舞台裝飾       横井 一雄
字幕撮影       大島浅次郎
監督助手       仲倉 光治
監督助手       小野 博之
現 像        園田順太郎
現 像        木原 幸男
焼 付        市川  光
結 髪        櫻井ふみ子
字 幕        加藤 星江
公開年月日:1933.11.30
上映時間:(12巻)2799m
モノクロ/スタンダード/35mm
製作会社:新興キネマ
配給:

       キャスト
小杉  勇      伊丹警官
中野 英治      富岡哲夫
森  静子      田鶴子(宮部の娘)
松本 泰輔      宮部警官
生方 一平      橋本警官
荒木  忍      大島署長
浅田 健二      司法主
桂  珠子      惠美子
北岡  勲      弟・伸一
三保 敦美      母・たか子
村田 宏寿      山岡

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