ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

梶芽衣子トークショー




 「第46回ぴあフィルムフェスティバル 2024」(PFF)の「生誕100年 増村保造新発見! 決断する女たち」特集。
 9月15日(日)11時30分から『動脈列島』(1975・121分)と『曽根崎心中』(1978・112分)の2本上映後、15時45分前後から、梶芽衣子トークショー開始。
 聞き手は、映画監督の工藤将亮<くどう・まさあき>さん。1983年10月31日生まれ、下記の3作品を監督している。
2019.08.24『アイムクレイジー』(2019:工藤将亮)86分・出演:古舘佑太郎桜井ユキ曽我部恵一・佐々木聖輝、
2021.11.19『未曾有』(2021:工藤将亮)出演:髙橋雄祐・栗田学武・小倉綾乃・辻千恵・桜木梨奈・磯野大・來河侑希、
2023.07.07『遠いところ』(2023:工藤将亮)128分・出演:花瀬琴音・石田夢実・佐久間祥朗・長谷川月起・松岡依都美、
 工藤将亮さんは、専門学校在学中から京都撮影所でアルバイトスタッフとして働き、卒業後は松竹京都撮影所の演出部入社。その頃、「鬼平犯科帳」などのテレビ時代劇で撮影していた梶芽衣子と知り合う。その旧知の仲だった二人のトークショーでした。
 口火をきった工藤将亮さん、そして補助で参加していたPFFディレクター・荒木啓子さんが口を出す間もなく、梶芽衣子さんのしゃべること、しゃべること。予定を大幅に超える17時過ぎまでの独演会状態でした。
 デビュー時頃の話、同期だった渡哲也との想い出、共演した山岡久乃が住むアパートに押しかけて、3日目にやっと部屋の中に入れてもらい、夕食を食べさせてもらいながら台本を読み解く術を質問したこと、、、、。
 若い頃に日本映画を見まくり、女を描く大映作品が特に気に入り、その中で若尾文子出演作品と出会い、その彼女を演出した増村保造にずっと憧れていた。その憧れの増村保造監督とともに映画を撮ることになった幸せ。『曽根崎心中』では、白坂依志夫さんの初稿を増村監督は気に入らず、全部書き直させ、次の脚本は、膨大な量のセリフ。それもすべて、大阪弁と廓言葉の連続。生粋の江戸っ子梶芽衣子さんにとっては、苦労の連続。それもすべてマスターしてのクランクイン。撮影は相手役の宇崎竜童のスケジュールの関係で12月の19日間しかない。低予算の関係と新人時代の経験から、本人のNGシーンはなし。「他の出演者のNGはあったかも、、。誰かとは言いませんが(笑)」というように、終始笑いをとってのトーク
 人生で一番悔しい思いをしたのは『鬼龍院花子の生涯』の企画を東映に盗まれたこと。その真相は「真実」(文藝春秋2018.03.04発行・梶芽衣子著)に詳細に書かれている。監督・増村保造、出演:梶芽衣子若山富三郎の企画書を作って、東映のプロデューサーに渡した。その後は何の連絡もなし。ある日、突然の『鬼龍院花子の生涯』製作発表。びっくりして抗議の電話をすると、担当プロデューサーの日下部五朗が、「主役以外だったら好きな役をあげるよ」と言ってるよと伝えられ、頭にきて電話を切った。
 その後、書店で「シネマの極道 映画プロデューサー一代」を見て、立ち読みすると事実と異なることが書かれていて、これはまずいと思い、長い間の沈黙を破って公表することにした。「日下部五朗、○○してやろうと思った!」
 と、まあ、話しても話したりないくらいのお話がいっぱい聞けて、大満足でした。梶芽衣子さん、今後はトークショーに引っ張りだこになるかも、、、。

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