ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『密告<たれこみ>』(東映東京1968:瀬川昌治)を見る。
8年ぶりに出所した安藤昇が、自分を殺そうとした敵と、警察に密告した奴を、捜し出して復讐するお話。ちょっと毛色の変わった東映ヤクザ映画。
それまで瀬川監督はヤクザ映画を3本撮っているようだが、それらの作品とも違う。まず、いつものヤクザ映画の面々とは違う役者がでている。
安藤昇の弟分でいまはカタギのケーキ屋として木村功、真の黒幕が岡田英次、その手先の殺し屋に高松英郎。これだけでもかなり違う雰囲気になっている。
ラスト、木村功の犠牲を出しながらも復讐を果たして、いったんは別れた愛人・沢たまきと再出発して行くところなんぞ、瀬川監督のカラーがでているのかも知れない。