ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『戰ふ兵隊』(1939:亀井文夫)・『医者のいない村』(1940:伊東壽惠男)




 『戰ふ兵隊』(東宝映画文化映画部1939:亀井文夫)と『東宝文化映画シリーズ 醫者のゐない村』(東宝映画文化映画部1940)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)・小ホールにて見る。10月4日より始まった「東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)」の1本。310円。『戰ふ兵隊』は再見、『醫者のゐない村』は初見。

 『戰ふ兵隊』(66分・35mm・白黒)
 陸軍省の後援による漢口攻略作戦の従軍記録で、監督の亀井文夫自身も戦地へ赴いて撮影が行われた。消耗した兵士たちや家を失った難民たちの姿を静かに見つめた描写が、軍部が期待する戦意昻揚とは相容れず上映不許可となった。また映画全体の構成を見る演出家とファインダー内の映像に専心するキャメラマンとの姿勢の相違をめぐり、亀井と三木茂との間でいわゆる「ルーペ論争」が戦わされた。
以上、NFAJの解説より。

 完成時は80分だったのが、それをカットされ65分に短縮。それでも上映禁止となり、東宝は廃棄。戦後になって見つかり、1975年に初公開。
 勇ましい戦闘シーンは一切なし。それを補うかのように、銃撃戦の効果音が兵隊たちの行軍シーンに重なる。
 見どころは、前線の中隊本部のシーン。次から次へと兵隊が飛び込んできては報告、そして中隊長が指示を出す。その緊迫感。約20分間もカメラ据え置きのワンシーン・ワンカット。戦場のリアルさがよく出ていたシーンであった。
2022年11月2日(水)鑑賞

     スタッフ
監 督      亀井 文夫
製作総指揮    松崎 啓次
撮 影      三木  茂
音 楽      古関 裕而
現地録音     藤井 慎一
録 音      金山欣二郎
字 幕      進  八郎
撮影助手     瀬川 順一
製作年:1939年3月完成
上映時間:80分(このフィルムは現存せず)
公開年月日:1975年
上映時間:65分(短縮版)
黒白/スタンダード
製作会社:東宝映画文化映画部
配給:?

東宝文化映画シリーズ 醫者のゐない村』(13分・35mm・白黒)
 1939年施行の映画法により、映画興行者に対して文化映画の強制上映が可能になった。その後に製作された本作では、巡回診療班の一行により、多くの病人を抱える村に自前の診療所の設置が促される。戦時下に病人ばかりが登場する映画を厭戦的とみなす内務省検閲官に対し、製作者側は国民衛生上の有益性を説くことで公開にごぎつけた。
以上、NFAJの解説より。

 皇室の肝いりで巡回診療班が始まったようで、「○○におかせましては、、、」と最高級の敬語ナレーションがかぶさる。年間なのか始まってからなのか150万人の診療したとのこと。でも、この映画が作られた後に、太平洋戦争も始まり、巡回診療班はその後どうなったのか、、、。
 作品そのものは、あまりおもしろくはない。
2022年11月2日(水)鑑賞

     スタッフ
監 督       伊東壽惠男
撮 影       白井  茂
音 楽       服部  正


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