『二人の銀座』(日活1967：鍛冶昇)

以上、『二人の銀座』(日活1967：鍛冶昇)より

　『二人の銀座』(日活1967：鍛冶昇)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の１本。310円。

二人の銀座(79分・35mm・白黒)
追悼：監督・鍛冶昇、撮影・山崎善弘、記録・桑原みどり
　日活の青春映画路線で活躍した鍛冶昇による、若手スター和泉雅子と山内賢のデュエット曲の同名映画化。学生バンドのリーダーがヒットさせた曲は、盗作疑惑で音楽界を追われた作曲家が書いたものだった…。山崎善弘のスタイリッシュな映像感覚により、ふんだんに詰め込まれたジャッキー吉川とブルー・コメッツ、尾藤イサオらの演奏シーンが輝きを増している。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)

　先に、ザ・ベンチャーズのシングルA面「二人の銀座」B面「霧の8マイル(エイト・マイルズ・ハイ)が1966年７月10日にリリース。それに歌詞をつけて、A面「二人の銀座」B面「踊りたいわ」が1966年９月15日にリリースして大ヒット。それを受けての映画化。
　映画にも登場する「ヤング・アンド・フレッシュ」は1962年に日活の俳優仲間である和田浩治、杉山俊夫、杉山元、木下雅弘、山内賢らが結成したバンドで、レコードもリリースしていた。和田浩治のドラムは完全にプロと言ってもいいくらいの腕前。
　鍛冶昇は1966.12.04『おゆきさん』(主演・和泉雅子)で監督デビュー。この『二人の銀座』は２作目。山崎善弘は『誘惑』(1957：中平康)が昇進第１回作品で日活ロマンポルノまで193本前後の撮影を担当、『二人の銀座』は49作目。
　東南大学のアマチュアバンドが拾った譜面を演奏したことから、人気となりプロを夢見る。実際の作曲者や恋人、その妹、音楽業界の人々、などうまい具合にからめて明るい作品であった。なによりも、尾藤イサオ、ジャッキー吉川とブルー・コメッツの歌がたっぷりと楽しめるのがうれしい。
　冒頭の日比谷公園から始まり、銀座通り、西銀座センター街、地下鉄丸ノ内線銀座駅周辺の地下道、ソニービル、晴海通り不二家ビルを見下ろす向かい側の喫茶室、銀座並木通り、などなど、たっぷり出てきて、当時のにぎわいに思いはせることができて、これまたうれしい。
　不二家ビルの横のビルに『真昼の用心棒』(1967.01.22公開)『大混戦』(1967.01.14公開)の宣伝垂れ幕。映画ロケしたのは、1966年12月下旬から1967年１月上旬の時期かな、と推察される。
2023年７月７日(金)鑑賞

　　　　　　　スタッフ
監　督　　　　　　　　鍛冶　　昇
脚　本　　　　　　　　才賀　　明
原　案　　　　　　　　雪室　俊一
企　画　　　　　　　　笹井　英男
撮　影　　　　　　　　山崎　善弘
美　術　　　　　　　　木村　威夫
音　楽　　　　　　　　林　　一
　〃　　　　　　　　　川口　　真
振　付　　　　　　　　竹部　　薫
録　音　　　　　　　　片桐登司美
照　明　　　　　　　　高島　正博
編　集　　　　　　　　辻井　正則
スチール　　　　　　　目黒　祐司
助監督　　　　　　　　馬越　安彦
製作主任　　　　　　　甲斐　　浩
公開年月日：1967.02.25
上映時間：79分
モノクロ／シネスコ／35mm
製作会社：日活
配給：日活

　　　　　　　キャスト
山内　　賢　　　　　　村木健一「ヤング・アンド・フレッシュ」
和田　浩治　　　　　　倉田秀夫「ヤング・アンド・フレッシュ」
杉山　　元　　　　　　杉本「ヤング・アンド・フレッシュ」
木下　雅弘　　　　　　山下「ヤング・アンド・フレッシュ」
和泉　雅子　　　　　　瀬川マコ(デザイナーの卵、お針子)
小林　哲子　　　　　　瀬川玲子(洋裁店の経営、マコの姉)
新田　昌玄　　　　　　戸田周一郎(二人の銀座作曲、玲子の元恋人)
片山　明彦　　　　　　小泉(ジャズ喫茶支配人)
伊藤るり子　　　　　　友子(マコの親友)
金原亭馬の助　　　　　床造
瞳　　美沙　　　　　　サチコ
和田美登里　　　　　　由子
萩　　道子　　　　　　ケイ子
月の家円鏡　　　　　　屋台のおやじ
西原　泰江　　　　　　洋子
野村　　隆　　　　　　森山プロ社員・塚口
相原　巨典　　　　　　森山プロ社員・金子
神山　　勝　　　　　　森山社長
天坊　　準　　　　　　佐賀(戸田と大学同期)
鴨田　喜由　　　　　　
衣笠真寿男　　　　　　
佐々木景子　　　　　　
柳瀬　志郎　　　　　　バニーガールズの歌唱振付指導(戸田と大学同期)
兜木　美鈴　　　　　　
五十嵐マリ　　　　　　
二木草之助　　　　　　
浜口　竜哉　　　　　　業界紙のカメラマン
三城　英一　　　　　　
林　　泰江　　　　　　
北出　桂子　　　　　　
ミッキー安川　　　　　フェスティバルの司会者
尾藤イサオ　　　　　　歌手・尾形
ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
　　　　　　　　　　　エレキバンド
桂　　京子　　　　　　歌手
ヴィレッジ・シンガーズ　(クレジットは「ビレッジ」)
バニーガールズ
挿入歌
「二人の銀座」
　作詞：永六輔
　作曲：ザ・ベンチャーズ
　編曲：川口真
　　唄：山内賢・和泉雅子
「ちぎれた涙」
　作詞：橋本淳
　作曲：すぎやまこういち
　編曲：森岡賢一郎
　　唄：尾藤イサオ
「恋の苦しみ」
　作詞：橋本淳
　作曲：すぎやまこういち
　編曲：井上忠夫
　　唄：尾藤イサオ
「ブルー・シャトウ」
　作詞：橋本淳
　作曲：井上忠夫
　編曲：森岡賢一郎
　　唄：ジャッキー吉川とブルーコメッツ
「甘いお話」
　作詞：佐々木ひろと
　作曲：小田啓義
　　唄：ジャッキー吉川とブルーコメッツ
「青い瞳」
　作詞：橋本淳
　作曲：井上忠夫
　　唄：ジャッキー吉川とブルーコメッツ
「お待たせしました」
　作詞：沢ノ井千江児
　作曲：袴田宗孝
　　唄：桂京子
「君を求めて」
　作詞・作曲：佐々木勉
　　唄：ヴィレッジ・シンガーズ
「踊りたいわ」
　作詞・作曲：ヘンリー
　編曲：大沢保郎
　　唄：和泉雅子