ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『辰巳』(2024:小路紘史)








以上、『辰巳』(2024:小路紘史)より


 『辰巳』(2024:小路紘史)を、丸の内ピカデリー・シアター2にて見る。第36回東京国際映画祭2023「アジアの未来」部門の1本、ワールドプレミア(世界で初めて上映)作品でもある。1700円。
 裏社会に生きる男・辰巳と少女・葵の哀しき復讐の物語。この裏社会の男たちはヤクザではあるが、副業というか生業をもっている。辰巳は港で漁に出たり魚の水揚げしたり、山岡は自動車修理工場を持ち、後藤は鉄工所を持っていたりする。そして、辰巳は、死体処理係も担当。指を切断し、歯をえぐりとり、どこの誰だかわからないように処理して始末する。耳をそぎ落としてポリ袋に入れ、仲間うちでの死体処理証拠とする。これでもかという執拗な描写、このシーンは相当エグイ。
 山岡が仲間の麻薬をくすねたことから、沢村兄弟に殺される。それを止めようとした山岡の妻・京子も殺されてしまう。そこに居合わせた葵が加わり、死闘のすえ、沢村兄を殺してしまう。そこから、沢村弟・りゅうじの執拗な復讐、辰巳と葵の反撃が始まる。
 このりゅうじが仲間うちでも手のつけられない狂暴なヤツで、恐ろしくも憎たらしい。とても勝ち目はなさそう。
 辰巳は弟を見殺しにしてしまったという過去の負い目もあり、葵を見捨てるわけにもいかずに、ともに反撃の手助けをするという立場。この作品、辰巳を演じた遠藤雄弥が主演ではあるが、葵を演じた森田想<もりた こころ>が主人公と言ってもいい。それくらい、森田想の鋭いまなざしの演技はすばらしかった。
 遠藤雄弥は人生をあきらめきったような虚無感を漂わせながら、淡々と死体処理をしたりする演技など、すばらしい。ひと皮むけたようだ。
 小路紘史監督の1作目『ケンとカズ』(2016)は見逃しているが、人物描写が奥深く、執拗な顔のアップが実に効果的。見ごたえ充分であった。
2023年10月30日(月)鑑賞
 
       スタッフ
監督・脚本      小路 紘史
プロデューサー    鈴木  龍
撮 影        山本 周平
照 明        鳥内 宏二
録 音        大野 裕之
美 術        吉永久美子
衣 装        梶山ゆめ乃
スタイリスト     入山 浩章
メイク        齋藤 美幸
特殊メイク      中垣瑛利加
リレコーディングミキサー
           野村 みき
サウンドエディター  大保 達哉
編 集        古川 達馬
 〃         小路 紘史
音 楽        岡出 梨奈
 〃         岩本 裕司
助監督        芳賀 直之
制 作        梶本 達希
 〃         原田 康平
製作年:2023
公開年月日:2024
上映時間:108分
カラー/ビスタ/DCP
製作会社:
配給:インターフィルム

       キャスト
遠藤 雄弥      成瀬辰巳
森田  想      葵
佐藤 五郎      兄貴(辰巳の兄貴分)
後藤 剛範      後藤
渡部 龍平      山岡茂
亀田 七海      山岡京子(葵の姉)
松本  亮      沢村武(兄)
倉本 朋幸      沢村りゅうじ(弟)
足立 智充      
藤原 季節      辰巳の弟
鈴木  武      


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