『新雪』(大映東京1942：五所平之助)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「月丘夢路 井上梅次 100年祭」特集の１本。310円。
新雪(84分・35mm・白黒)
藤沢桓夫の同名小説を、松竹から創立まもない大映に移籍したばかりの五所平之助が映画化。進歩的な教育理念を掲げる国民学校の教師（水島）と医師（月丘）の恋を爽やかに描いている。宝塚歌劇団のトップスターだった月丘はこの作品のヒットにより映画スターとしても認知された。オリジナルは124分だが、現存するフィルムは84分。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
再見。
神戸の国民学校教師・蓑和田良太は京都帝大出身の教師。国民学校教師は師範学校出身が多い中で、その野性的な教育方針は何かと批判の的になっている。剃れでも自説を曲げず、自分の教育方針貫く。
隣組の眼科医・片山千代は職業婦人として誇りをもって働いていて、恋愛にも積極的に動きたいと考えている。
隣組班長である言語学者の娘・湯川保子は家事を切り盛りしながら父の仕事も手伝い、密かに蓑和田良太を恋している。
この三人の恋模様をセリフなしの映像のみでカットバックするシーンは、情感豊かでせつなくなる。さすが恋愛映画の名手・五所平之助である。
2023年11月３日(金)鑑賞
スタッフ
監 督 五所平之助
原 作 藤澤 恒夫(朝日新聞連載 新にも潮社出版)
脚 本 館岡謙之助
撮 影 岡野 薫
撮影助手 兼井 和郎
撮影助手 中村 嘉郎
撮影助手 松橋 梅夫
撮影助手 井上 雅夫
照 明 伊東 辰雄
照明助手 安藤眞之助
美 術 今井 高一
美術助手 木村 威夫
編 集 辻井 正則
音 楽 久保田公平
主題歌 「新雪」「千代の唱」ビクターレコード
主題歌「新雪」 唄：灰田 勝彦
主題歌「新雪」 作詞：佐伯 孝夫
主題歌「新雪」 作曲：佐々木俊一
主題歌「千代の唱」 唄：月丘 夢路
主題歌「千代の唱」作詞：佐伯 孝夫
主題歌「千代の唱」作曲：清水 保雄
録 音 長谷川光雄
録 音 増田 一美
演出助手 蕪木 淳
演出助手 小松原 力
演出助手 小倉 泰美
演出助手 菅野 恒三
公開年月日：1942.10.01
上映時間：13巻3,400m 124分
モノクロ／スタンダード／35mm
製作会社：大日本映画製作株式會社(東京第二撮影所)
配給：社團法人映画配給社・白系
スタッフ
水島道太郎 蓑和田良太(京都帝大卒の国民学校教師)
月丘 夢路(宝塚歌劇團) 片山千代(眼科医)
高山徳右衛門 湯川家 丈亮(隣組班長)
美鳩 まり 湯川家 保子
武田 サダ 湯川家 おきくさん
白川 博 片山家 進
久野あかね 片山家 その母
井染 四郎 正木家 信夫
國分みさを 正木家 淑江
山口 勇 徳井家 金兵衞
浦辺 粂子 徳井家 その妻
金矢田 稔 徳井家 金之助(５年生)
近松 里子 長谷家 静枝
小林 直樹 長谷家 英雄(メガネの子)
見明凡太郎 隣組 食料品店主人
吉井 莞象 國民學校 校長
齋藤 紫香 國民學校 古井教頭
石黒 達也 國民學校 千葉訓導(英雄の担任)
水原 洋一 國民學校 伊東訓導
小杉 光史 國民學校 竹井訓導
冬木 映彦 國民學校 木村訓導
若原 初子 國民學校 若原訓導
千明 明子 國民學校 千明訓導
赤星 瞭 國民學校 小使さん
上代 勇吉 國民學校 小久保
吉田八千代 父兄會 安藤夫人
南澤 昌平 父兄會 その息子
中野 政野 父兄會 社長夫人
藤村 昌子 父兄會 事務長夫人
岩井 昇 父兄會 老人
加原 武門 父兄會 退役軍人
高村 營一 隣組 高村さん
菊地 良一 隣組 菊地さん
三井 知惠 隣組 三井の奥さん
小峰千代子 隣組 煙草屋のおばさん
南條はるみ 隣組 南條さん
鴨川百合子 隣組 鴨川の奥様
光川 京子 隣組 仲居
高松 律子 隣組 看護婦
松原輝夫 隣組 若い夫
文野 朋子 隣組 若い妻
奥岡榮二郎 隣組 少年
賛助出演：劇團新兒童劇場
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