ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『交渉人・真下正義』(2005:本広克行)

 クリスマスが季節はずれではもうなくなったいい例が『交渉人・真下正義』(ROBOT=スカパー!WT=フジテレビジョン東宝2005:本広克行)です。
 物語は12月24日のクリスマスイブに集約されています。街並みはクリスマス一色、オープニングではテンプテーションの「サンタが町にやってくる」が流れ、エンディングではジャクソン5の「サンタが町にやってくる」が流れる。ラストではイルミネーション輝く街中で、ユースケ・サンタマリア水野美紀に婚約指輪を渡そうとする。それらが何の違和感もなく夏に見ていられる。物語のおもしろさもあるだろうけど、クリスマスそのものが通年行事になりつつあるのかもしれません。
 ところで犯人・弾丸ライナーからの挑戦状として『ジャガーノート』(英1974:リチャード・レスター)の名前が出てきた時はうれしかった。あの作品のおもしろさを作者は知っているなと。私の1975年度ベストテンの上位に入れています。多分、君塚良一の発案でしょう。彼は私が気に入っている『野獣狩り』(東宝映画1973:須川栄三)もすごくほめていたので、すくなくともこの2作品では意見が一致しています。
 でも、このシリーズ、相変わらず犯人像がちゃちいというか魅力に欠ける。今回はとうとう姿を現さないで終わってしまう。従来の警察ドラマとは違った視点から描いて人気となったのはわかるけど、もう少し魅力ある犯人が登場してほしいものです。
 2005.07.16(土)