ラピュタ阿佐ヶ谷にて『肌色の月』(東京映画1957:杉江敏男)を見る。
人気が落ち目の女優・乙羽信子が、男優・仲代達矢に失恋したがために自殺しようとする。列車でのトリックを使い失踪したように見せかけて、自分自身は逆方向の五色湖へとやってくる。と、ここまではよかったが、途中で出会った千田是也の車に乗せてもらったことから、自殺の計画が、、、。
ミステリーと呼ぶには謎があまりないし、失恋のヒロインというには乙羽信子ではムードが出ない。すべてが中途半端。
ラスト、石濱朗の病院に再出発の報告にいった乙羽信子、白いワンピースで満面の笑み。さすが、百万ドルのえくぼ、と言われたことだけはある。このシーンが一番輝いていた。
もうひとつ、若き石井好子の歌っている姿を見られたことが収穫。そして、彼女にセリフをしゃべらせなかったのは、賢明な選択であった。