以上、『儀式』(1971:大島渚)より
『儀式』(1971:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。
儀式(122分・35mm・カラー)
ATG創立10周年記念映画として製作され、「大島による戦後民主主義の早すぎる総括」と評された集大成的作品。戦犯から復権した祖父(佐藤)を頂点とする旧家の冠婚葬祭の儀式をとおして、家父長制に抑圧される戦後世代、さらにその根底にあって国家のあり方や政治風土を規定してきた日本の「イエ」制度の実相を鋭く浮かび上がらせている。
以上、国立映画アーカイブの解説より
最初に見たのが、1971年12月7日(火)、日乃出5階劇場にて、『ベニスに死す』との2本立て、350円(前売り)。
当時見た時の感想から
タイトルバックから流れる武満徹の音楽は、弦楽器(特にチェロ?)を主に使って非常に重厚なものである。佐藤勝のメロディーメーカーとは対称的。美術は傑出している。桜田家のセット、葬式、通夜、結婚式などにおいて力を発揮した戸田重昌は、今年の美術ベストワンである。
それにしても、儀式というものに日本の問題点を凝縮した大島渚は偉大なものだ。小松方正の共産党員が自分の結婚式で、労働歌かなんか歌い、花嫁の党員・原知佐子がインターナショナルを歌いだすシーンは喜劇的であり、それを越えて、彼ら共産党員として桜田家に寄生している俗物性をまざまざと見せつけた。そしてそのことは、資本主義が高度に発展した日本という国における共産党の存在を歴然と象徴していて、おもしろい。ベストワン!
と、まあ絶賛している。
今回見ても、印象はあまり変わらない。でも、現在の嗜好回路はエンタメがいの一番なので、大島渚への思いはかなりトーンダウンしているのはいたしかたない。
2023年5月7日(日)鑑賞
スタッフ
監 督 大島 渚
脚 本 田村 孟
〃 佐々木 守
〃 大島 渚
製 作 葛井欣士郎
〃 山口 卓治
撮 影 成島東一郎
美 術 戸田 重昌
音 楽 武満 徹
録 音 西崎 英雄
照 明 山下礼二郎
編 集 浦岡 敬一
制作協力 大映京都撮影所
制作主任 眞田 正典
撮影助手 藤井 秀男
〃 杉村 博章
移動効果 西村伊三男
照明助手 石原 喜三
美術担当 下石坂成典
装 置 吉見 光男
〃 馬場 保行
背 景 高橋 作次
装 飾 眞城 一夫
編集助手 永富 勲
音響効果 倉嶋 暢
録音助手 山田 貢
〃 高井 唯夫
記 録 松田美津子
助監督 大洲 斉
〃 上野 尭
進 行 足立源一郎
ヘアデザインメークアップ
宇野 久夫
ヘアデザインメークアップ
ムラハシ英子
現 像 東洋現像所
家 具 高島屋京都店
〃 高島屋工作所
〃 大阪大_商店
寝 具 京都杉村屋
清 酒 株式会社山本本家
〃 株式会社太田鉄蔵商店
結婚式 京都グランドホテル
式 典 公益社 山本正雄
仏 壇 株式会社山中大仏堂
カーペットカーテン 株式会社クラレ
礼 装 ワタベ衣装
船 舶 大島運輸株式会社
公開年月日:1971.06.05
上映時間:123分
カラー/シネスコ/35mm
製作会社:創造社=日本ATG
配給:日本ATG
キャスト
河原崎建三 桜田満洲男(一臣の長男・韓一郎の息子)
賀来 敦子 桜田律子(節子の娘)
佐藤 慶 桜田一臣(桜田家の当主)
乙羽 信子 桜田しづ(一臣の正妻)
高山 真樹 桜田キク(満洲男の母)
河原崎しづ江 桜田富子(一臣の母)
小山 明子 桜田節子(律子の母)
小松 方正 桜田勇(一臣の息子)
渡辺 文雄 桜田進(一臣の息子)
土屋 清 桜田忠(進の息子)
三戸部スエ 桜田ちよ(一臣の兄嫁)
戸浦 六宏 桜田守(一臣とちよの子)
小沢栄太郎 立花武世(満洲男の結婚式の媒酌人・政治家)
原 知佐子 勇の花嫁
殿山 泰司 長老
中村 敦夫 立花輝道
椿 隆一 満洲男の少年時代
成島 有美 律子の少女時代
大田 良明 輝道の少年時代
椿 幸弘 忠の少年時代
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