以上、『惜春鳥』(松竹大船1959:木下惠介)より
『惜春鳥』(松竹大船1959:木下惠介)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「逝ける映画人を偲んで 2021-2022」特集の1本。310円。
惜春鳥(102分・35mm・カラー)
追悼:(出演)石濱朗(手代木浩三)、山本豊三(馬杉彰)、川津祐介(岩垣直治)
会津で育った5人の青年が、変わりゆく現在の姿とかつての友情との間で揺れ動くさまを描いた青春映画。ともに木下惠介監督に見出されて映画界入りした石濱朗と川津祐介、三代目三羽烏の一人である山本豊三(同じく小坂一也も出演)ら当時の松竹の若手俳優が一堂に会し、瑞々しい輝きを放っている。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
再見。
5人の同級生の友情物語。2年ぶりに帰省した川津祐介が小坂一也と手をそっと触れ合う、あるいはすぐに一緒に旅館の風呂に入る。そこへ山本豊三が不自由な足を引きずって駆け込み、裸の川津の背中に抱きつく。別なシーンでは風呂の床で裸の津川雅彦・小坂が寝そべって語り合う。山本が足が不自由なため、小坂・川津・津川が腕組みをして身体をささえてあげる。その情景を撮りたいために山本を不自由な足という設定にしたかのようだ。以上、木下惠介の同性愛嗜好に満ち溢れた箇所。
しかし、後半は川津の秘密が明らかになり、友情と正義のせめぎ合い、人間のエゴのぶつかり合い、さすが木下惠介である。また、冒頭での5人が白虎隊剣舞をしながら、インサートショットでの5人の紹介(どんな仕事をしているとか)、鮮やかな画面処理。天才と言われる所以である。
なお、舞台となった会津若松城は、明治時代に解体されていて、1959年前後は石垣のみが残る状態だった。現在のような天守閣が再建されたのは、1965年前後である。1964年に私が修学旅行で行った時、天守閣を見たかどうかは記憶にない。でも、お土産の白虎刀は買った。この木刀は1970年代になると、全国のお城跡などの観光地で販売されるようになるが、その火付け役は会津若松出身の人だということらしい。
2023年7月13日(木)鑑賞
スタッフ
監督・脚本 木下 惠介
製 作 小出 孝
〃 脇田 茂
撮 影 楠田 浩之
照 明 豊島 良三
美 術 梅田千代夫
編 集 杉原 よ志
音 楽 木下 忠司
主題歌「惜春鳥」
作詞:木下惠介
作曲:木下忠司
唄:若山 彰
「にれの木蔭で」
作詞・作曲:木下惠介
唄:小坂一也
録 音 大野 久男
衣 装 細井真佐江
美 粧 中島 由子
進 行 浜野 敬
振 付 花柳 啓之
撮影渉外 手代木 功
撮影助手 赤松 隆司
〃 成島東一郎
照明助手 戸井田康国
装 置 高橋 利夫
装 飾 石井 勇
録音技術 石井 一郎
録音助手 小林 英男
監督助手 大槻 義一
公開年月日:1959.04.28
上映時間:102分
カラー/シネスコ/35mm
製作会社:松竹大船
配給:松竹
キャスト
津川 雅彦 牧田康正
小坂 一也 峰村卓也
石濱 朗 手代木浩三
山本 豊三 馬杉彰
川津 祐介 岩垣直治
有馬 稲子 みどり(芸者)
佐田 啓二 牧田英太郎(康正の叔父)
伴 淳三郎 桃沢悠吉(康正の父)
岸 輝子 桃沢たね(悠吉の妻)
十朱 幸代 桃沢蓉子(養女)
藤間 紫 牧田米子(サロンX経営、悠吉の愛人、康正の母)
村上 記代 牧田家の女中
清川 虹子 卓也の母、大滝旅館の女将
伊久美愛子 大滝旅館女中・梅
志賀真津子 大滝旅館の女中
笠 智衆 手代木源一郎(浩三の父)
末永 功 手代木勝助(浩三の兄)
宮口 精二 彰の父(会津塗)
岡田 和子 彰の母
永田 靖 鬼塚兵三郎
桜 むつ子 菊太郎(芸者置屋の女将)
佐々木恒子 サロンXの女
南 進一郎 サロンXの客
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