ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『忍術三妖傳[『自來也』改題版]』(日活京都1937:マキノ正博)



以上、『忍術三妖傳[『自來也』改題版]』(日活京都1937:マキノ正博)より


 『忍術三妖傳[『自來也』改題版]』(日活京都1937:マキノ正博)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「返還映画コレクション(1)第一次・劇映画篇 Repatriated Film Collection [Part 1] : Fiction Films, 1930~1945」特集の1本。同時上映『人肌觀音 第一編』(松竹京都1937:衣笠貞之助)、310円。
忍術三妖傳[『自來也』改題版](56分・35mm・白黒)
1937(日活京都)(監)マキノ正博(原・脚)比佐芳武(撮)石本秀雄(音)西梧郎(出)片岡千惠藏、星玲子、河部五郎、瀨川路三郎、尾上華丈、香川良介、志村喬、市川正二郎
 野武士・佐久間正盛(河部)一味によって滅ぼされた地頭の遺児が、ガマを操る忍術使いの自来也(片岡)として成長、同じ境遇の網手姫(星)と力を合わせて復讐を遂げる。アメリカ議会図書館から第四次と併せて2度にわたり返還を受けた作品だが、ともに公開時の『自來也』ではなく、戦後改題版であった。トリック撮影の数々に創意を凝らした忍術映画である。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)

 初見。
 片岡千恵蔵と星玲子との掛け合い漫才的やりとりがおもしろい。道中の片岡に追いつく星、「旅は道連れ」と盛んに話しかける。それを無視する片岡。なおも話しかける星。片岡が「空をごらんなさい。小鳥がさえずっているではありませんか。あなたのおしゃべりより、小鳥のさえずりのほうがずっと心地よい」。「無礼な!」と憤然と先へ行く星。
 とまあ、こんな調子の、二、三度やり取りがあって、寺の宿で同じ部屋に泊まることになる。星が着替えるため、もじもじと片岡に座を外してくれと言う。片岡は笑みを浮かべながら、妖術で几帳<きちょう>代わりの衝立を出す。そのやさしさにちょっとだけ心打たれる星、、、。とまあ、マキノ正博の明朗時代劇テイストが随所にあふれつつも、終盤はキッチリと忍術と復讐劇を描いていて、楽しい作品であった。
2023年11月29日(水)鑑賞

       スタッフ
監 督        マキノ正博
原 作        比佐 芳武
脚 色        比佐 芳武
撮 影        石本 秀雄
音 楽        西  梧郎
録 音        海原 幸夫
公開年月日:1937.12.31
上映時間:(7巻)56分
モノクロ/スタンダード/35mm
製作会社:日活(京都撮影所)
配給:日活

       キャスト
片岡千恵蔵      自来也(太郎丸が成人になった姿)
星  玲子      綱手姫(佐久間を仇と狙う)
河部 五郎      佐久間正
尾上 華丈      五十嵐典膳(佐久間の仲間?)
香川 良介      一夢仙人(太郎丸を助け育てる)
瀬川路三郎      大蛇丸
市川正二郎      更科輝隆(滅ばされた城主)
水原 洋一      天眼磯兵ヱ
志村  喬      矢尾郡太夫(佐久間の仲間)
賀川  清      団取り段助
宗春 太郎      太郎丸(更科輝隆の遺児)
阪東国太郎      矢藤鬼玄蕃
南城竜之助      彦坂半兵ヱ
石川 秀道      桜井格之進
福井松之助      八並兵太夫
加藤 弘郎      寺男・庄作
香住佐代子      お牧の方
成宮 欣子      お秀の方
三好 文江      お千世(寺男・庄作の娘?)

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