ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『今日われ恋愛す 第一部 愛慾篇/第二部 鬪爭篇』(C.A.C.1949:島耕二)




 『今日われ恋愛す 第一部 愛慾篇/第二部 鬪爭篇』(C.A.C.1949:島耕二)を、国立映画アーカイブ長瀬記念ホールOZUにて見る。5月3日から始まった「発掘された映画たち2022」の1本。420円。

 原作小説の「今日われ欲情す」の題名がGHQによる検閲で問題視され改題した。企画段階の脚本にはマキノ正博の名も演出として記載されており、また彼自身の証言からも製作を実質的にサポートしたと推察される。夜の街で働きながらも貞節を守る、美貌のキャバレーの歌手・サリー濱田(轟)をめぐる、雑誌社の社長(森)と編集長(宇野)の恋と犯罪が描かれる。(原版提供:山口博哉)
 以上、国立映画アーカイブの解説より

 「月刊 トドロキ・ユキコ」発行人である映画史家の山口博哉さん提供の原版16mmプリントは、結晶化や剥離進行がすすんでいて、音声はなんとか復元できているが、肝心の画像が最初からブレたりドシャ降りの雨というか、幼児のなぐり書きの線が最初から最後まで入っている状態。
 でも、これしかないのだから、しょうがない。よくぞここまで復元したものと、感謝感激雨あられ
 冒頭、森雅之ドンファンぶりが、いやらしくも魅力たっぷりに描かれる。まるでハリウッド映画を見ている感覚におちいる。自分の部下・月丘千秋を誘惑し、その流れでキャバレー歌手・轟夕起子のアパートまで押しかけ強引に手籠めにしようとする。轟夕起子の必死の抵抗、そして森雅之の良心への訴え、轟の夫が森の大学時代の恩師だったこともあり、森雅之が改心。以後はプラトニックラブの関係へ。
 終戦直後の東京駅のホーム、銀座の風景、品川駅、静岡、浜松、岡崎、豊橋、名古屋、近鉄、大阪、じっくりと夜行列車急行の旅が堪能できて大満足。
2022年5月22日(日)鑑賞

(111分・35mm・白黒・不完全)
1949.05.31公開
上映時間124分
C・A・C 第4回・第5回作品
製作:C.A.C.
配給:東宝

監 督     島  耕二
原 作     田村泰次郎
         新大阪新聞連載
脚 本     小川 記正
製作・企画   小川 記正
撮 影     渡辺 公夫
照 明     島  百味
美 術     北  辰雄
録 音     長岡 憲治
演出補佐    中川  亘
演出補佐    村田 武雄
製作主任    森本  朴
音響効果    三縄 一郎
編 集     坂東 良治
スチール    荒木 伍一
経理担当(製作会計)
        丸  輝夫
音 楽     斎藤 一郎
主題歌作詞   佐伯 孝夫
主題歌作曲   清水 保雄
主題歌作詞   小川 吉衛
主題歌     竹山 逸郎
        野崎 整子
        「今日われ恋愛す」
主題歌     轟 夕起子
        「恋の雪をんな」
現 像     東宝現像所
演 奏     東宝交響楽団

     キャスト
轟 夕起子   サリー浜田(キャバレー歌手)
森  雅之   野々宮正(雑誌「大都会」社長)
宇野 重吉   牛田周二(雑誌「大都会」編集長)
野上千鶴子   明石くみ子(大阪新聞記者)
月丘 千秋   紺野千代(雑誌「大都会」秘書)
利根はるゑ   園珠江(キャバレーの女給、牛田の情婦)
石黒 達也   江口哲弥(サリーの夫)(第1部出演)
藤原 釜足   志村(雑誌社経理担当)(第1部出演)
村上 冬樹   瀬木時彦(バンドの司会者)
加藤  嘉   田岡(詐欺師)
斎藤 紫香   大沼(詐欺師)
佐藤 純一   部長刑事(第1部出演)
清水 將夫   駒田五十六(大阪新聞社デスク)(第2部出演)
林   寛   警察署長(第2部出演)
多々良 純   米山刑事(第2部出演)
北林 谷栄   千代の母(第2部出演)
滝沢  修   千代の父(第2部出演)
特別出演:ニューパシフィックオーケストラ
     サモア・セブンス・グループ
民衆芸術劇場総出演


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