以上、『花形選手』(松竹大船1937:清水宏)より
『花形選手』(松竹大船1937:清水宏)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)長瀬記念ホール OZUにて見る。「返還映画コレクション(1)第一次・劇映画篇 Repatriated Film Collection [Part 1] : Fiction Films, 1930~1945」特集の1本。310円。
花形選手(64分・35mm・白黒)
1937(松竹大船)(監)淸水宏(脚)鯨屋當兵衞、荒田正男(撮)猪飼助太郎(美)江坂実、穗苅貞一(音)伊藤宜二、島田康(出)佐野周二、日守新一、近衞敏明、笠智衆、大山健二、坪内美子
大学陸上部の花形選手(佐野)を中心に、軍事教練の行軍演習に励む学生たちと彼らを取り巻く人々の姿を見つめた作品。鯨屋当兵衛のペンネームで脚本も手がけた清水宏の演出は、繰り返し挟まれる行軍の様子など戦時体制を反映した描写のなかにも個々の生活者への伸びやかなまなざしを忍ばせている。
(以上、国立映画アーカイブの解説より)
再々見。
清水宏115本目の監督作品。ロケ地は厚木。
冒頭、学生たちの軍事教練。次が運動場でのスポーツ練習。練習をさぼって昼寝している佐野周二に笠智衆が勝負を挑む。「かちゃいいんだろ」とばかりに佐野がトラック競争で勝つ。笠もニコニコして「そうだよ。かちゃいいんだよ」
この、「勝ったほうがいい」というフレーズは何度も出てくる。子どもたちに教え込んだり、民宿での宴会で囃し立てたり。ユーモラスにあるいは口論の引き金になったり、、、。
軍事演習行軍ではハイキングの女性たちにいいところを見せようと、川岸を駆け足、さらにほふく前進、水浸しになったり。それが翌日の突撃シーンにつながる。前日の喧嘩直前までいった行商人たちとの追いかけっこ、、、。
ハイカラなハイキングの女性たちと三味線弾きの坪内美子との対比。上流階級の学生たちが民宿することにより、底辺の庶民たちの生活を知る体験、そのさりげない描写は、ほんとに巧みである。
笑いながらも、ちょっとしんみりさせられる。
2023年12月2日(土)鑑賞
スタッフ
監 督 清水 宏
脚 本 鯨屋当兵衛
〃 荒田 正男
撮 影 猪飼助太郎
配 光 鈴木 武雄
美術セット 江坂 実
〃 穗苅 貞一
小道具 井上恒太郎
音 楽 伊藤 宜二
〃 島田 康
伴 奏 松竹管絃楽団
録 音 土橋 武夫
〃 森 武憲
記 録 岡田 敬造
監督助手 清瀬 彰
〃 牛田 宏
〃 大屋 善三
〃 本郷 武雄
撮影助手 斎藤 正夫
〃 鈴木 隆一
〃 斎藤 穀
〃 森田 俊保
〃 池辺金太郎
撮影事務 田尻 丈夫
現 像 佐々木太郎
衣 装 柴田 鉄蔵
結 髪 遠藤 末子
タイトル 藤岡秀三郎
タイトル撮影 広木 正幹
公開年月日:1937.10.09
上映時間:(8巻)1752m・64分
モノクロ/スタンダード/35mm
製作会社:松竹(大船撮影所)
配給:松竹
キャスト
佐野 周二 関
笠 智衆 谷
日守 新一 森
近衛 敏明 木村
大山 健二 学生隊長
突貫小僧 田舎の子供
葉山 正雄 〃
アメリカ小僧 〃
水戸 光子 ハイキングの女
小牧 和子 〃
東山 光子 〃
森川まさみ 〃
槙 芙佐子 〃
藤原かね子 〃
坪内 美子 門附けの女
爆弾小僧 その子供
長船フジヨ その子供
仲 英之助 医者
二葉かほる 木賃宿の婆さん
石山 隆嗣 行者
若林 廣雄 与太者
赤城正太郎 洋傘直し
油井 宗信 藥屋
堺 一二 飴屋
? 民謡を歌う学生
? 学生たちが民宿する村の主人
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