ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

東宝

『落語野郎・大泥棒』(東宝1967:松林宗恵)

『落語野郎・大泥棒』(東宝1967:松林宗恵)を浅草名画座にて見る。1300円。 黒沢年男が義賊・鼠小僧に扮している。けれども主役ではなく、ゲスト出演的役回りである。 主演の牧伸二が、恋する中真千子を悪徳商人から、中尾ミエたちの協力を得て助け出すとい…

『乱菊物語』(東宝1956:谷口千吉)

ラピュタ阿佐ヶ谷「荷風と谷崎」特集にて、『乱菊物語』(東宝1956:谷口千吉)を見る。 時は室町時代は応仁の乱後、播州は室の津に君臨する遊女・陽炎(八千草薫)をめぐって、国守・赤松(小堀明男)と町衆たちの対立、それに竜王丸(池部良)が絡む。 海洋冒険活…

『不滅の熱球』(東宝1955:鈴木英夫)

シネマヴェーラ渋谷にて、「スポーツする映画たち」特集の1本『不滅の熱球』(東宝1955:鈴木英夫)を観る。再見。 沢村栄治に扮した池部良の新婚家庭、「きょうは月給日だ、見に来るかい?」と、妻の司葉子を誘う。「きょうはダメなの、用事があるの」と笑み…

『化石の森』(東京映画1973:篠田正浩)

東京国際映画祭の「映画が見た東京」特集、『化石の森』(東京映画1973:篠田正浩)をル・シネマ2にて観る。20人ぐらいの観客。 公開当時見逃していて、今回やっと見ることができ、そういう点からは満足。しかし、作品のできは予想以上のつまらなさ。萩原健一…

『こんにちは赤ちゃん』(東宝1964:松林宗恵)

『こんにちは赤ちゃん』製作・配給 東宝 1964.03.20公開 8巻 2,215m 81分 カラー 東宝スコープ (スタッフ)監督 松林宗恵製作 渡辺 晋 〃 田実泰良脚本 長瀬喜伴撮影 鈴木 斌音楽 中村八大美術 育野重一録音 西川善男照明 西川鶴三編集 岩下広一スチール 山…

『まり子自叙伝・花咲く星座』(東宝1959:松林宗恵)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて松林宗恵特集『まり子自叙伝・花咲く星座』(東宝1959:松林宗恵)を観る。 菊田一夫作・演出の大当たり舞台の映画化。出だしは舞台中継の構成だが、回想シーンに入ると、映画の世界である。 宮城まり子が父親(坂本武)、そして兄(池部良)…

『銭ゲバ』(東宝1970:和田嘉訓)

シネマヴェーラ渋谷にて『銭ゲバ』(近代放映製作、東宝配給1970:和田嘉訓)を観る。 封切り以来の再見かも。今回あらためて見ると、かなり過激である。自分がのし上がるためなら、簡単に人を殺してしまう。唐十郎のはまり役。 今だったら、絶対に映画化でき…

『結婚の夜』(東宝1959:筧正典)

シネマヴェーラ渋谷にて『結婚の夜』(東宝1959:筧正典)を観る。 安西郷子には何か裏がある。そのうち、あっという事実が明かされるぞ、とワクワクしながら見ていた。けれど、なんのことはない。普通に結婚を夢見る処女だった。 しかし、そこまで期待を持た…

『落語野郎・大馬鹿時代』(東宝1966:杉江敏男)

シネアートン下北沢にて『落語野郎・大馬鹿時代』(東宝1966:杉江敏男)を観る。 昭和20年秋、学童疎開先の国民学校が舞台。みんなイガグリ頭に半ズボン姿。戦後の東京に帰るまでのつなぎの先生が牧野周一、児童には牧伸二もいる。前作では親子に扮していたが…

『落語野郎・大脱線』(東宝1966:杉江敏男)

シネアートン下北沢にて『落語野郎・大脱線』(東宝1966:杉江敏男)を観る。 落語家たちが江戸時代の長家住人に扮しての楽しい作品。出だしのコーラスで、登場人物たちを紹介していくところが楽しくもあり、プロの巧さに感心してしまう。作詞がプロデューサー…

『おトラさん』(東京映画1957:小田基義)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『おトラさん』(東京映画1957:小田基義)を観る。柳家金語楼がベテラン女中・おトラさんに扮してのホームドラマ。53分。 柔和で百面相もやれちゃう金語楼だからこそできるおトラさん、まるっきり違和感がない。後半では花嫁衣装を着て、…

『五十年目の浮気』(宝塚映画1956:青柳信雄)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『五十年目の浮気』(宝塚映画1956:青柳信雄)を観る。 柳家金語楼には、沢村宗之助を筆頭に五男六女の子どもがいて、いまは楽隠居。ところが、子どもたちが集まって相談しているのは、母親のこと。金語楼と喧嘩して家を飛び出し、全国…

『へそくり社員とワンマン社長・ワンマン社長純情す』(東宝1956 :小田基義)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『へそくり社員とワンマン社長・ワンマン社長純情す』(東宝1956:小田基義)を見る。46分。 渡辺交易では社内恋愛にはうるさく、結婚したら女性が会社を辞めなければならない。そうなると暮らしていけない。 舟橋元と中田康子のカップ…

『へそくり社員とワンマン社長・へそくり社員敢闘す』(東宝1956 :小田基義)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『へそくり社員とワンマン社長・へそくり社員敢闘す』(東宝1957:小田基義)を見る。 東京駅前の立派なビル街とは対照的な裏通りのチャチなビルにある三流商社・渡辺交易に勤める経理課長・吉村に扮しているのが三木のり平。そのワンマ…

『恐怖の時間』(東宝1964:岩内克己)

ラピュタ阿佐ヶ谷で1月28日(日)から行われている「ミステリ劇場へ、ようこそ。【第2幕】」の1本『恐怖の時間』(東宝1964:岩内克己)を見る。再見。 刑事の誤射で恋人(田村奈巳)を失った山崎努が、復讐のため、ニトログリセリンと拳銃を武器に刑事部屋にた…

『吸血蛾』(東宝1956:中川信夫)

池袋・新文芸坐にて池部良特集の1本『吸血蛾』(東宝1956:中川信夫)を見る。再見。 池部良が金田一耕助に扮している。なかなかスマートな探偵役で、これがシリーズ化されたら面白かったかもしれない。 デザイナーに扮した久慈あさみは、これが代表作かと思…

『兄とその妹』(東宝1956:松林宗恵)

池袋・新文芸坐にて池部良特集の1本『兄とその妹』(東宝1956:松林宗恵)を見る。再見。 池部良と原節子の夫婦に池部の妹・司葉子が同居している。この三人の関係が実にいい。見ていて気持ちがいい。 また、池部の会社での仕事ぶりやその人間関係を、松林宗…

『男対男』(東宝1960:谷口千吉)

池袋・新文芸坐にて2月24日(土)より始まった「二枚目スター池部良の魅力のすべて」の1本『男対男』(東宝1960:谷口千吉)を見る。 これは池部良と三船敏郎が10年ぶりに本格的共演した作品。池部良が珍しく敵役に扮している。加山雄三のデビュー作でもある。…

『33号車応答なし』(東宝1955:谷口千吉)

池袋・新文芸坐にて2月24日(土)より始まった「二枚目スター池部良の魅力のすべて」の1本『33号車応答なし』(東宝1955:谷口千吉)を見る。 これは傑作!!黒澤明が絡まない作品では、谷口千吉の最高作かも。 クリスマスイブ、パトカー乗務員の志村喬と池部…

『彼奴<キャツ>を逃がすな』(東宝1956:鈴木英夫)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『彼奴<キャツ>を逃がすな』(東宝1956:鈴木英夫)を見る。再見。津島恵子特集の第6週目である。 サスペンスの盛り上げ方など、文句なしにうまい。結果がわかっていても、スクリーンに引き込まれてしまう。 木村功・津島恵子の夫婦、志…

『世界はボクらを待っている』(渡辺プロ=東宝1968:和田嘉訓)

フィルムセンターにて『世界はボクらを待っている』(渡辺プロ=東宝1968:和田嘉訓)を見る。 ザ・タイガースそのままでの出演。宇宙からの王女様(久美かおり)を絡めたりして、東宝特撮の見せ場もたっぷり。タイガースの歌もたっぷり。彼らの住居セットも華や…

『肌色の月』(東京映画1957:杉江敏男)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『肌色の月』(東京映画1957:杉江敏男)を見る。 人気が落ち目の女優・乙羽信子が、男優・仲代達矢に失恋したがために自殺しようとする。列車でのトリックを使い失踪したように見せかけて、自分自身は逆方向の五色湖へとやってくる。と、…

『香港の夜』(東宝1961:千葉泰樹)

フィルムセンターにて『香港の夜』(東宝1961:千葉泰樹)を見る。再見。 あらためて見ると、実にいろんなテーマが入っている。それにともない登場人物も増え、作品に広がりができ、A級大作の雰囲気さえ、感じられる。 国際結婚、男女にはそれぞれ婚約者っぽ…

『ホラ吹き太閤記』(東宝1964:古澤憲吾)

フィルムセンターにて『ホラ吹き太閤記』(東宝1964:古澤憲吾)を見る。再見。 太閤記は、木下藤吉郎時代までがおもしろい。この作品もそれは承知していると見え、州俣城を築きに意気揚々と出発するところで終わっている。そこまで植木等の個性で一気呵成に見…

『鬼火』(東宝1956:千葉泰樹)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『鬼火』(東宝1956:千葉泰樹)を見る。46分の中編。再見。 津島恵子には不貞、不倫、浮気という言葉は似合わない。この作品でも、弱みにつけ込んだ加東大介の誘いに乗ろうとした自分を悔いて、首括り自殺をしてしまう。 彼女が映画の中…

『浮気旅行』(東京映画1956:杉江敏男)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『浮気旅行』(東京映画1956:杉江敏男)を見る。49分の中編。 まず、主演の河津清三郎が平社員という設定がめずらしい。お隣の公務員に比べて出張が全然ないと妻(南悠子)にちょっぴりぼやかれている河津清三郎。 ところがチャンス到来。…

『琴の爪』(東宝1957:堀川弘通)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『「元禄忠臣蔵・大石最期の一日」より・琴の爪』(東宝1957:堀川弘通)を見る。 いやあ、お見事というほかない。中編(53分)だが、今公開されたら、ベストワンになろうかという力作。 中村扇雀が、水もしたたる美男子ぶりで、惚れ惚れし…

『天下の大泥棒・白浪五人男』

ラピュタ阿佐ヶ谷の「蔵出し銀幕大歌舞伎」特集で、『天下の大泥棒・白浪五人男』(東京映画1960:佐伯幸三)を見る。 森繁久彌、フランキー堺、加東大介、花菱アチャコ、有島一郎の芸達者が白浪五人男に扮している喜劇だから、これは見逃しては後悔するなと思…

『新しい背広』(1957:筧正典)

> 筧正典監督作品『大安吉日』(東宝1957)、『新しい背広』(東宝1957)、『トイレット部長』(東宝1961)、『妻という名の女たち』(東宝1963)、『若い娘がいっぱい』(東宝1966)もぜひ観てみたい。 三百人劇場にて『新しい背広』(東宝1957:筧正典)を見ることが…

『見事な娘』(1956:瑞穂春海)

> 次に未見の金子正且プロデュース作品に出会えるのは、フィルムセンター・成瀬巳喜男特集での『妻の心』(東宝1956)と『女の歴史』(東宝1963)かな。 と思っていたら、浅草東宝のオールナイトで『見事な娘』(東宝1956:瑞穂春海)を見ました。 タイトル通りあ…