ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『スパイ』(大映1965:山本薩夫)

28日浅草新劇場にて、『スパイ』(大映1965:山本薩夫)を見た。再見。 中央新聞社の記者・田宮二郎は、長崎県の密入国者大村収容所から韓国人学生(山本学)が脱走した、というベタ記事に興味を持ち調査し始める。やがてその背後にはスパイ組織が暗躍しているこ…

『花の慕情』(東宝1958:鈴木英夫)

24日シネマアートン下北沢にて、『花の慕情』(東宝1958:鈴木英夫)を見る。再見である。 前回はカラーが色褪せたプリントで、花の色がすべて茶褐色になったものだった。今回はニュープリントで、生け花の色があざやかに出ていて満足。 相変わらず小気味良い…

『新網走番外地・流人岬の決斗』(東映東京1969:降旗康男)

26日浅草名画座にて、『新網走番外地・流人岬の決斗』(東映東京1969:降旗康男)を見た。 石井輝男作品10本はすべて90分前後に収まっているのに、新シリーズになってからの降旗康男監督作品はすべて105分を超えている。今回の『流人岬の決斗』は109分もある(…

『アキハバラ@DEEP』(東映配給2006:源孝志)

21日丸の内TOEI1にて、『アキハバラ@DEEP』(東映配給2006:源孝志)を見る。 『東京タワー』『大停電の夜に』の監督らしく、大都市・東京の光と影、闇夜の撮り方は鮮やかである。しかし、ただそれだけ。前二作での登場人物への愛情をこめた描写は、どこへ行…

『燈台』(東宝1959:鈴木英夫)

18日シネマアートン下北沢にて、『燈台』(東宝1959:鈴木英夫)を見る。再見である。 三島由紀夫原作は戯曲だったのかと思われる、ぐらいホテルの一室のみで展開する。 津島恵子、久保明、柳川慶子、河津清三郎の演技が見事。

『脱獄囚』(東宝1957:鈴木英夫)

18日シネマアートン下北沢にて、『脱獄囚』(東宝1957:鈴木英夫)を見る。 復讐に燃える脱獄囚・佐藤允が警部・池部良の妻・草笛光子を狙う。 スリルとサスペンスに満ち溢れた丸一日のできごとをたった87分にまとめた傑作。手に汗握り、固唾をのんでスクリー…

俳優・石原慎太郎

『危険な英雄』(東宝1957:鈴木英夫)での石原慎太郎が素晴らしい。しっかりと俳優をしている。滔々とした長ゼリフをカメラ据えっぱなしのワンカットで演じたりしている。「俳優の素質は裕次郎より俺のほうが上」と豪語するのも『危険な英雄』で得た自信だろ…

『危険な英雄』(東宝1957:鈴木英夫)

18日シネマアートン下北沢にて、『危険な英雄』(東宝1957:鈴木英夫)を見る。 二流新聞記者の石原慎太郎は特ダネをスクープして、一流新聞に引き抜かれて海外特派員を夢見るドライな青年。 彼のライバルは一流新聞記者で父親のコネもある仲代達矢。 誘拐事件…

『サラリーマン目白三平・亭主のためいきの巻』(東宝1960 :鈴木英夫)

15日シネマアートン下北沢にて、『サラリーマン目白三平・亭主のためいきの巻』(東宝1960:鈴木英夫)を見る。 『大番頭小番頭』よりは軽めに作ってはいるものの、それでもきっちりした描き方をしている。 主人公である笠智衆が勤める国鉄厚生部での広報機関…

『大番頭小番頭』(東宝1955:鈴木英夫)

15日シネマアートン下北沢にて、『大番頭小番頭』(東宝1955:鈴木英夫)を見ました。 早朝、都電から降りる池部良、その姿は学生服に角帽、なんと大学生役。『恋化粧』(東宝1955:本多猪四郎)でも旧制高校生を演じていた。しかし、あちらは回想シーン。『大番…

鈴木英夫特集

9日からシネマアートン下北沢にて、「鈴木英夫特集」が始まりました。 今週の前半まですっかり忘れていて、15日になんとか行ってきました。でも、『魔子恐るべし』は見逃してしまった、残念。

『チェケラッチョ!!』(東宝配給2006:宮本理江子)

『チェケラッチョ!!』(S・D・P=フジテビジョン=東宝2006:宮本理江子)、私も見ました。 ラップがこんなに楽しく、ノリノリになれるとは知りませんでした。 4人の男女の描き分けもあざやかで、さすが山田太一(木下恵介の弟子でシナリオライター)の娘だけの…

『ふりむいた花嫁』(松竹大船1961:番匠義彰)

『ふりむいた花嫁』(松竹大船1961:番匠義彰)をラピュタ阿佐ヶ谷で見ました。 倍賞千恵子モーニングショーの始まりです。一番無難で、楽しめる作品でスタートしたことは、よしとしましょう。クレジットタイトル1枚目は伴淳三郎と淡島千景の二人。2枚目に倍…

『手紙』(ギャガ2006:生野慈朗)

きのうの夜は、銀座のヤマハホールで『手紙』(ギャガコミュニケーションズ2006:生野慈朗)を観てきました。 涙、涙、涙の感動作です。ここで、終わりかと思うと、ひとひねりあって、これでめでたしかと思うと、またもうひとひねりあって、東野圭吾の原作がよ…

『バルトの楽園<がくえん>』(東映配給2006:出目昌伸)

○○さん、『バルトの楽園<がくえん>』(東映配給2006:出目昌伸)を褒めてくれてありがとう。 確かに、いい映画です。ラストのベートーベン「第九」は大いに盛り上がり、感動的です。 日独の混血少女・“志を”に扮した大後寿々花(おおご すずか)は、『北の零年』…

『初恋』(ギャガ・コミュニケーションズ2006:塙幸成)

『初恋』(ギャガ・コミュニケーションズ2006:塙幸成)を見てきました。今年一番の傑作です。 “あの三億円事件の実行犯は女子高校生だった”というキャチフレーズの映画です。三億円事件はメインテーマではなく、タイトル通り、みすず(宮崎あおい)と岸(小出恵…

私の2003年度ベストテン

私の日本映画2003年ベストテン1 『さよなら、クロ』 (松岡錠司)2 『ロボコン』 (古厩智之)3 『船を降りたら彼女の島』 (磯村一路)4 『私のグランパ』 (東 陽一)5 『黄泉がえり』 (塩田明彦)6 『卒業』 (長澤雅彦)7 『ROUTE58』 (倉持健一)8 『17…

私の2004年度ベストテン

私の日本映画2004年度ベストテン1 『いま、会いにゆきます』 (土井裕泰)2 『世界の中心で、愛をさけぶ』 (行定 勲)3 『スウィング・ガールズ』 (矢口史靖)4 『チルソクの夏』 (佐々部 清)5 『深呼吸の必要』 (篠原哲雄)6 『珈琲時光』 (候 孝賢)7…

2004年度旧作ベストテン

私が2004年度に初めて見た日本映画旧作ベストテン1 『ジャズ・オン・パレード1956年/裏町のお転婆娘』(日活1956:井上梅次) 出演:江利チエミ、長門裕之、芦川いづみ、フランキー堺2 『素晴しき男性』 (日活1958:井上梅次) 出演:石原裕次郎、北原三枝、月…

舛田利雄トークショー

フィルムセンターにて、『闘牛に賭ける男』(日活1960:舛田利雄)上映後のトークショーを聞く。 『闘牛に賭ける男』は、石原裕次郎の正月作品ということだけが決まっていて、何もないところからスタートした。当時脚光を浴びつつあった呼び屋を主人公にし、一…

『女体』(東宝1964:恩地日出夫)

『女体』(東宝1964:恩地日出夫)をラピュタ阿佐ヶ谷で見ました。 団令子モーニングショーのラストです。しかし、つまらない。『素晴らしい悪女』(東宝1963:恩地日出夫)では、監督が団令子に恋しているのが如実にわかったが、この作品では彼女を汚く撮ってい…

『ラフ』(東宝配給2006:大谷健太郎)

『ラフ』(東宝配給2006:大谷健太郎)をシャンテシネ2で見ました。これで『アベック・モン・マリ』から5本すべて封切りでみていることになります。デビュー作からというわけではありません。自主製作作品があるので。劇場映画デビューからということだった…

私の2003年度旧作ベストテン

私が2003年度に初めて見た日本映画旧作ベストテン1 女性に関する十二章 (東宝1954:市川 崑) 出演:津島惠子、小泉博2 忘れえぬ慕情(松竹大船=仏・シラ=テラ=パテ・シネマ1956:イヴ・シャンピ) 出演:岸惠子、ジャン・マレー、野添ひとみ3 思春の泉 (…

香山美子と渡哲也

あちこちに書きなぐった文をこのブログに集約する作業の一環です。 2004年1月の文です。 昨年のシネマ納めは、12月25日浅草新劇場での『花と龍』(松竹1973:加藤泰)、『やくざの横顔』(日活1970:小澤啓一)でした。『喜劇・仰げば尊し』(東京映画1966:渋谷…

自分史ベストテン

自分の記録のために、各年度ごとのわたしのベストテンを載せていく予定です。 2005年度から1970年度ぐらいまでさかのぼっていきます。 途中、選ばなかった年や、資料がどっかに行ってしまった年があるかもしれません。

私の日本映画2005年度ベストテン

私の日本映画2005年度ベストテン ① 青空のゆくえ (長澤雅彦) ② ALWAYS/三丁目の夕日 (山崎 貴) ③ カーテンコール (佐々部 清) ④ パッチギ! (井筒和幸) ⑤ NANA (大谷健太郎) ⑥ 大停電の夜に (源 孝志) ⑦ 運命じゃない人 (内田けんじ) ⑧ フラ…

『日本沈没』(東宝配給2006:樋口真嗣)

『日本沈没』(東宝配給2006:樋口真嗣)をやっと見る。見終わっての感想は、子役四天王の福田ちゃんが助かって良かったね、といったところ。 CGに頼りすぎて人間ドラマが描ききっていない。群集シーンは多いが、個々の葛藤が希薄。居酒屋の人々に代表される…

私の2005年度旧作ベストテン

私が2005年度に初めて見た日本映画旧作ベストテン1 遙かなる男 (東宝1957:谷口千吉) 出演:池部良、新珠三千代、田崎潤2 まごころ (東宝東京1939:成瀬巳喜男) 出演:入江たか子、高田稔、悦ちゃん3 新しい背広 (東宝1957:筧 正典) 出演:小林桂樹、八…

及川光博

『日本沈没』(東宝2006:樋口真嗣)を見る。 深海潜水艇「わだつみ6500」パイロット・結城に扮したのが、及川光博。『明日の記憶』(東映2006:堤幸彦)では、冷静な医師に扮していました。好演です。今年の助演男優賞候補です。

『実録外伝・大阪電撃作戦』(東映京都1976:中島貞夫)

浅草名画座にて『実録外伝・大阪電撃作戦』(東映京都1976:中島貞夫)を見る。神戸の川田組が大阪進出を目指す過程で、それに刃向かう大阪ヤクザのアウトロー松方弘樹と渡瀬恒彦の滅亡のお話。 小林旭は川田組の大幹部・山地武雄に扮し、刃向かってくる大阪ヤ…