ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

大映

『へうたんから出た駒』(大映東京1946:千葉泰樹)

フィルムセンター「よみがえる日本映画vol.4[大映篇] -映画保存のための特別事業費による」にて、『へうたんから出た駒』(大映東京1946:千葉泰樹)を見る。500円。 東京の焼け跡。そこにバラック建物を建てて、戦地からいつ帰還するのかわからない息子・兄…

『情熱の人魚』(大映東京1948:田口哲)

フィルムセンター「よみがえる日本映画vol.4[大映篇] -映画保存のための特別事業費による」にて、『情熱の人魚』(大映東京1948:田口哲)を見る。500円。 場末のキャバレーで歌う山口淑子、彼女の才能を見いだし大劇場の歌手に育て上げる作曲家・水島道太郎…

『美しき豹』(大映東京1948:千葉泰樹)

フィルムセンター「よみがえる日本映画vol.4[大映篇] -映画保存のための特別事業費による」にて、『美しき豹』(大映東京1948:千葉泰樹)を見る。500円。 闇ブローカー・河津清三郎の秘書として働くヒロイン・相馬千恵子が、男勝りの金儲けぶりをハツラツと…

『看護婦の日記』(大映東京1947:吉村廉)

フィルムセンター「よみがえる日本映画vol.4[大映篇] -映画保存のための特別事業費による」にて、『看護婦の日記』(大映東京1947:吉村廉)を見る。500円。 高原の療養所で、健康回復に務める患者たち、彼らを支える看護婦たちの人間模様を描いている。太宰…

『女めくら物語』(大映東京1965:島耕二)

『女めくら物語』(大映東京1965:島耕二)をラピュタ阿佐ヶ谷にて見る。800円(会員)。 「現代文学栄華館 -昭和の流行作家たち-」の一本。舟橋聖一原作「女めくら双紙」の映画化。タイトルに不適切用語が使われているため、いつ頃からか、全く上映されなくな…

『処女受胎』(大映京都1966:島耕二)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『処女受胎』(大映京都1966:島耕二)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第7週である。800円(会員)。 スランプに陥った人気画家・若尾文子が人工授精にて懐妊し、芸術的意欲を掻き立てようとするお話。 何を描きか…

『赤い天使』(大映東京1966:増村保造)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『赤い天使』(大映東京1966:増村保造)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第6週である。800円(会員)。再見。 若い頃は、大映特有の陰々滅々たる暗さが嫌いだった。しかし、歳を重ねると、その暗さの中に潜む濃密…

『やっちゃ場の女』(大映東京1962:木村恵吾)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『やっちゃ場の女』(大映東京1962:木村恵吾)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第5週である。招待券(会員スタンプ4個)。 築地の青果市場(やっちゃ場)の仲買い店「小田新」の長女・ゆき子に扮した若尾文子、チャ…

『爛<ただれ>』(大映東京1962:増村保造)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『爛<ただれ>』(大映東京1962:増村保造)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第4週である。800円(会員)。 田宮二郎の二号さんから正妻へと昇格した若尾文子。姪の水谷良重が転がり込んで来たことにより、今度は自…

『お嬢さん』(大映東京1961:弓削太郎)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『お嬢さん』(大映東京1961:弓削太郎)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第3週である。800円(会員)。 重役の娘・若尾文子と料亭(?)の娘・野添ひとみの花婿探しのお話。今から見ると古風な二人だけど、当時の最…

『その夜は忘れない』(大映東京1962:吉村公三郎)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『その夜は忘れない』(大映東京1962:吉村公三郎)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第2週である。800円(会員)。 タイトルからだと、甘いメロドラマかと思ってしまう。しかし、中身は甘い衣装を身につけての、原…

『東京おにぎり娘』(大映東京1961:田中重雄)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『東京おにぎり娘』(大映東京1961:田中重雄)を見る。「昭和の銀幕に輝くヒロイン[第51弾]若尾文子」の第1週である。招待券(会員ポイント4個で)。 中村雁治郎は新橋で30年続けた洋服仕立屋。昔気質のため、閑古鳥が鳴いて、親子3人何…

『愛河』(大映東京1958:田中重雄)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『愛河』(大映東京1958:田中重雄)を見る。昭和の銀幕に輝くヒロイン[第50弾]叶順子の第1週。800円(会員)。 恋愛と結婚は別と割り切っている化粧品会社美容部員・叶順子と、純潔は結婚するまでは守りたいというデパートガール・若尾文…

『愛河』(大映東京1958:田中重雄)スタッフ・キャスト

『愛河』大映東京製作大映カラー シネスコ 91分1958年4月22日公開併映『天竜しぶき笠』(監督:渡辺邦男、出演:鶴田浩二、山本富士子) [スタッフ]監 督 田中 重雄企 画 川崎 治雄製 作 永田 雅一脚 色 笠原 良三原 作 富田 常雄撮 影 中川 芳久美 術 間野 …

『弥次喜多道中』(大映京都1956:斎藤寅次郎)

フィルムセンターにて『弥次喜多道中』(大映京都1956:斎藤寅次郎)を見る。「特集・逝ける映画人を偲んで 2007-2008」、林成年追悼の1本。500円。 弥次郎兵衛・市川雷蔵、喜多八・林成年のコンビで繰り広げる東海道中もの。主役二人よりも脇の花菱アチャコ…

『安宅家の人々』(大映東京1952:久松静児)

神保町シアターにて『安宅家の人々』(大映東京1952:久松静児)を見る。「昭和の庶民史・久松静児の世界with時代劇小特集」の1本。1200円。 今回の特集で最大の目玉がこの作品である。期待に違わずなかなか見応えある作品。純粋無垢な船越英二の演技と百万ド…

『処女が見た』(大映京都1966:三隅研次)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『処女が見た』(大映京都1966:三隅研次)を見る。「シネマ紀行・京都ものがたり」の1本。招待券(4回見ると招待券)にて。 安田道代の大映でのデビュー作、「新スタア」の表示。不良少女の烙印を押された安田道代が尼寺に預けられ、尼さ…

『すっ飛び駕』(大映京都1952:マキノ雅弘)

シネマヴェーラ渋谷にて『すっ飛び駕』(大映京都1952:マキノ雅弘)を見る。1000円(会員)。 先にフィルムセンターで見た『天保六花撰・地獄の花道』(東映京都1960:マキノ雅弘)は、この『すっ飛び駕』の再映画化である。当然のごとく元のほうがいい。 河内山…

『ボクは五才』(大映京都1970:湯浅憲明)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『ボクは五才』(大映京都1970:湯浅憲明)を観る。「1970-71ダイニチ映配ノスタルジア」特集の1本。 大阪万博会場から四国・高知へまでの行程をナレーションが説明する。この400キロメートルを五才の男の子がたったひとりで大阪まで父…

『一刀斎は背番号6』(大映東京1959:木村恵吾)

シネマヴェーラ渋谷にて、「スポーツする映画たち」特集の1本『一刀斎は背番号6』(大映東京1959:木村恵吾)を観る。 剣の達人・一刀斎(菅原謙二)が武者修行のために上京。後楽園球場での素人打撃大会にかり出されて、西鉄ライオンズの稲尾投手からホームラ…

『怪談累が渕』(大映京都1970:安田公義)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『怪談累が渕』(大映京都1970:安田公義)を観る。「1970-71ダイニチ映配ノスタルジア」特集の1本。 美術の内藤昭を始めとする大映京都スタッフの腕をもってしても、大映末期の低予算には勝てず、ほとんどが闇の世界でストーリーが展…

『牝犬』(大映東京1951:木村恵吾)

フィルムセンターにて『牝犬』(大映東京1951:木村恵吾)を観る。 京マチ子主演の映画かと思いきや、京マチ子と志村喬が並んでのトップタイトル。中身は共演というよりも、志村喬主演作品といってもよい。 給仕からたたき上げて30年、経理部長にまで昇進した…

『化け猫御用だ』(大映京都1958:田中徳三)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『化け猫御用だ』(大映京都1958:田中徳三)を観る。化け猫騒動を盛り込んだ明朗時代劇スリラー、59分。 長崎奉行(南条新太郎)の留守宅をあずかる奥方(橘公子)と奉行の弟(梅若正二)は、奉行に恨みを持つ悪者(伊沢一郎)たちから若君を護る…

『お~い中村君』(大映東京1958:原田治夫)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『お~い中村君』(大映東京1958:原田治夫)を観る。若原一郎の大ヒット曲をベースにした歌謡ラブコメディ。44分。 恋愛にはオクテな中村君(川崎敬三)が、後輩ながらプレイボーイの中村君(柴田吾郎)を見習って、電車の中で一目惚れした美…

『お富さん』(大映京都1954:天野信)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『お富さん』(大映京都1954:天野信)を観る。 勝新太郎デビュー2作目で初主演。切られ与三郎に扮している。白塗りの美男子ぶり、まだ映画に慣れていないせいか、ちょっと目が泳いでいるカットがあったりして。 それにしても、春日八郎…

『黒い死球』(大映東京1963:瑞穂春海)

ラピュタ阿佐ヶ谷で1月28日(日)から行われている「ミステリ劇場へ、ようこそ。【第2幕】」の1本『黒い死球』(大映東京1963:瑞穂春海)を見る。 瑞穂春海監督は松竹で監督となり、1955年頃東宝に移り、1960年に大映に移った人である。東宝や東京映画時代に…

『女の勲章』(大映東京1961:吉村公三郎)

新文芸坐にて『女の勲章』(大映東京1961:吉村公三郎)を見る。 これで田宮二郎が一躍注目されるようになった出世作。断然おもしろい! 京マチ子、若尾文子、叶順子、中村玉緒らを手玉にとる田宮二郎。おとなしくて一番扱いやすいと思っていた中村玉緒が、処…

『闇を横切れ』(大映東京1959:増村保造)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『闇を横切れ』(大映東京1959:増村保造)を見る。 北九州の二流新聞社を九州一の一流新聞に押し上げたやり手編集局長・山村聰。その下で正義感に燃える青年記者・川口浩は、殺人事件を追う。やがて、その背後には地域のボス・滝沢修が存…

『アスファルト・ガール』(大映東京1964:島耕二)

フィルムセンターにて『アスファルト・ガール』(大映東京1964:島耕二)を見る。 1964年は、ミュージカル映画が3本も作られたということで、日本映画史上エポックメーキングな年として忘れることができない。『君も出世ができる』(東宝1964:須川栄三)と『あ…

『わたしを深く埋めて』(大映東京1963:井上梅次)

ラピュタ阿佐ヶ谷にて『わたしを深く埋めて』(大映東京1963:井上梅次)を見る。 犯人は誰かというのがわかってはいても、それを最後までおもしろく見せてくれるのは、さすが職人・井上梅次の成せる技。けれども深みがないのがおしいところ。何らかのこだわり…